群馬の木で人に寄り添う楽器を Regal Guitar Instruments社長藤原達矢さん(28) – 産経ニュース

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 記録的猛暑の夏が過ぎたのもつかの間、群馬では空っ風が吹きすさぶ季節が待ち受ける。そんな寒暖差の激しい環境で育った木を使ったギターやベースを設計・製造するベンチャー企業が、Regal Guitar Instruments(リーガル・ギター・インストルメンツ、高崎市)だ。創業者で社長の藤原達矢さん(28)は演奏者に寄り添い、地域貢献にも意欲を燃やす。 (宇野貴文)

 「夏は猛暑と湿気で膨張し、冬は乾燥して収縮する。過酷な環境だが、楽器に適した密度の高い木ができる」

 森林が豊かな群馬で生まれ育ち、祖父は宮大工だった。幼いころから慣れ親しんだ群馬の木の「潜在力」を力説する。過酷な環境に耐え、固く育った木は、演奏環境が変化しても音が安定するという。

 使うのは、ケヤキやトチノキといった広葉樹。プロからアマチュアまで幅広い顧客の注文に応え、中国の富裕層向けにも販路が広がっている。

 高校までは「いわゆるガリ勉で、部活動では美術、造形をやっていた」。大学入学で親元を離れ、「何か新しいことを」とギターを手にし、バンド活動に熱中した。

 ベースも弾くようになり、「ボーカルや他の楽器の音に隠れない音を出したい」と考えた。「楽器を分解し、組み立て直してみて、ネジの締め方一つで音が変わることに気付いた」といい、3年生のころ、試行錯誤しながら、ベース作りに挑戦した。「イメージした音に近いものができた」というが、「基本から勉強したい」と大学を中退。専門学校で学びながら、楽器店でリペアの経験も積んだ。

 「東京への憧れは全くなかった」といい、前橋市を創業の地に選んだ。伊勢崎市を中心にギター作りに必要な部品メーカーが県内に集積しているのも大きかった。

 社名には「演奏する人に寄り添い遂げる一本を作りたい」との思いが込められている。自ら楽器店の講師やプロのバンドや歌手のサポート演奏も行い、弾き手の目線に立てるのが強みだ。今年夏には、多くの顧客が住む高崎市に会社を移転した。

 「楽器を納入して終わり、ではなく、リペアのために出張もする。自社製品に限らず、その人に合ったものを提案するのも仕事です」

 ギターやスマートフォン用スピーカーを前橋市の「ふるさと納税」の返礼品に提供し、同市の「だんべえ踊り」に使う鳴子も扱うなど地域活性化にも貢献。森林を持つ地域の課題解決のため、他の自治体との協力も模索する。

 「そもそも音楽は国境などを越えるもの。垣根をなくして飛び込んでいきたい」

 新たな「セッション」に胸を躍らせている。

 〈ふじわら・たつや〉平成元年、玉村町生まれ。前橋工業高校卒。秋田大学理工学部を中退し、専門学校でギターやベース作りを学ぶ。ウクレレメーカーの三ツ葉楽器(前橋市)勤務を経て、28年1月にRegal Guitar Instruments(当時・前橋市、現・高崎市)を創業。オーダーメードのギターの価格は20万円程度から。最近のトレンドは「女性の間でアコースティックギターの人気が高まっている」。





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