100年に一度の変革期、国内自動車ディーラーの進むべき道は (1/4) – @IT MONOist

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自動車を購入するためには行かなければならないのが自動車ディーラー(販売店)だ。しかし、国内の自動車ディーラーにとってこれまで常識だったことも、「100年に一度の変革期」が訪れている自動車市場そのものと同様に大きく変化しつつある。



 自動車を購入するためには自動車ディーラー(販売店)に行かなくてはならない。かつての訪問販売スタイルが、営業業務の効率化や2003年から施行された個人情報保護法の絡みなどにより一般的でなくなってから15年ほど経過した。国内の自動車ディーラーにとってこれまで常識だったことも、自動運転技術やモビリティサービス、EV(電気自動車)などによって「100年に一度の変革期」が訪れている自動車市場そのものと同様に大きく変化しつつある。

自動車のネット販売の今

 多くのものがインターネットを介して購入でき、ネット販売のハードルが高いと思われていたアパレル製品や靴まで「試着」の上、買えるようになった。消費者は煩わしい外出を避け、重い荷物を持って帰ることなく、しかも価格を比較しながら、好きな商品を購入できる。

 一方、自動車は、かなり以前からネット販売について議論はされているものの、日本国内でいえばいまだ一般化はしていない。現在、ネットで全モデルを注文できるのはテスラ(Tesla)のみで、納車はホームデリバリーも選択はできるが店頭納車を強く推奨している。また、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)も自社サイトでネット販売を行っているが、モデルは一部のものに限られる(2018年7月初旬時点で19台の販売を数えたようだ)。

 日系でいえば、日産自動車のアマゾン(Amazon.com)で試乗車を注文できるテストマーケティングはあったが、本社近くのごく一部の限られたエリアで、日数もわずか1週間強であり、現在は終了している。最近ではトヨタ自動車が「楽天市場店」にて、2018年9月末まで新型「カローラスポーツ」のカタログを請求できるページを設けており、今後新たな消費体験の提供に取り組むとしている。しかしどちらかといえば、ポイントキャンペーンも併設なので、タッチポイントや購入機会の多様性を求めるというよりは、楽天ECに参加することによるビッグデータ活用の可能性を重視したのだろう。また、同年4月下旬から愛知トヨタが名古屋のIT企業と共同でスマートフォンアプリを使った販売のトライアルを地域限定で開始しているが、こちらは新車よりも価格や状態などの比較が求められ、オンライン販売になじむと思われる中古車である(図1)。

図1
図1 各社オンライン販売の取り組み(クリックで拡大)

 それでは海外の状況はどうなっているのだろうか。米国では、フォード(Ford Motor)が新車のオンライン販売を一部の州で2018年3月から試験的に開始し、同年内に米国内に拡大すると発表している。英国では、そのフォードおよび現代自動車(Hyundai Motor)がオンライン販売のページを設けている。シンガポールでは、2017年に高級車の新車「自販機」が登場するなど(実際はショーケースとしての「自販機」に隣接したディーラーでタブレット端末上のアプリで購入手続きをし、支払い後に車両を受け取る仕組みである)、さまざまな購入手段が用意されつつある。中国では、もはや店頭で実車を確認することなくVR(仮想現実)システムを使ったバーチャルショールームでクルマを吟味し、Eコマースサイトから購入するという購買スタイルが登場し、増えつつあるという。

 しかしながら日本国内では、販売会社のアフターサービスによる収益確保と、顧客のライフサイクルに応じた提案活動で代替購入を促進する販売機会の確保のためにも、顧客を囲い込み、顧客と店舗をつなぐことが必須なのだ。どちらかというと購入者というよりは販売側の都合が重視されており、自動車のオンライン販売の一般化はまだ先のようである。

 今となっては一般的になった「試乗」も、実際定着したのはそう古いことではなく、2000年代初期に日産自動車が試乗キャンペーンを積極的に始めるようになってからのことである。自動車は製品もプロダクトアウトの色が強く、ディーラーに入店するのにも勇気が必要で、他の耐久消費財と比べても顧客志向は高くない。


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