町田市立国際版画美術館で展覧会「記憶の繭を紡ぐ」を開催している 荒木 珠奈(たまな)さん ニューヨーク在住 47歳 – タウンニュース

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養蚕、町田の記憶としての

 ○…「物心つく前から絵を描いていた」。母親も絵が好きだった。その影響か小さいころから絵本にも親しんでいて、絵を描くのは自分にとって当たり前のことだった。思い出深いのは保育園のキャンプの時、就寝時間が過ぎても絵を描いていたこと。とくに怒られることもなく、そのまま描かせてもらった。高校2年生のとき、進路を美大に決める。美術の先生にアドバイスをもらったり、美大受験の予備校に通った。「先生も応援してくれたし、親もそうだった」

 ○…本格的に銅版画の制作を始めたのは、美術系の短大を卒業後のメキシコ留学時。同地の版画の授業の助けのため、昭和期の銅版画家・駒井哲郎の『銅版画のマチエール』を手にした。ここから得た版画のエッセンスやメキシコでの体験が、以後の創作活動につながっている。

 ○…版画を制作の中心とする作家に、町田を取材してもらい新作を制作・公開してもらう版画美術館の「インプリントまちだ展」で、与えられたテーマは「記憶」だった。目を付けたのは「養蚕」。絹糸を八王子方面から横浜港へと運ぶ「絹の道」の途中に位置していた町田でも、養蚕が盛んに行われていたと知った。蚕は自らの身体から美しい糸を生成する。作品の素材として、身体感覚に近いものを探してきた身として「嫉妬を覚えた」と羨ましがる。

 ○…昨年の夏、自宅で卵から蚕を育ててみた。50匹を大きな箱の中へ。大量の桑の葉を食べる姿に吃驚。繭を作る姿にもまた驚愕した。2昼夜かけて八の字に頭を動かし、1本の糸を吐き続ける。蚕は繭を作って、内部で幼虫から成虫へと生まれ変わる。やがて蛾へと「再生」するそのプロセスは、本展のコンセプトのひとつである「記憶の繭」にも通ずる。





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