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1株当たり純資産を下回るTOB価格をスクイーズアウトの「公正な価格」と認めた例

※画像はイメージです

1株当たり純資産を下回る価格によるTOB及びその後のスクイーズアウトに関し、TOB価格を「公正な価格」と認めた裁判例(平成29年11月29日付大阪高裁決定)

 2017年11月29日、大阪高裁第11民事部は、上場会社Aの取締役が出資・設立したB社がA社に関して公開買付け・スクイーズアウトを行い、これに反対する株主がA社に対して株式買取請求を行ったというMBO(マネジメント・バイアウト)の事案について、当該公開買付けに係る買付価格と同額を「公正な価格」と認め、株式の買取価格とする決定を行いました。

 本決定においては、ジュピターテレコム事件(最決平成28年7月1日)と同様の判断枠組みが採用されていますが、加えて、B社による公開買付価格がA社の1株当たり簿価純資産を下回る価格であっても、A社の事業継続に疑義が生じる状況ではなかったこと、A社の株価はA社の簿価純資産も織り込んで市場で形成されていたこと等からすると、A社の1株当たり簿価純資産が株式買取価格の下限となるものではないとの判断も行われております。

 本決定は、公開買付価格が1株当たり簿価純資産を下回る場合であっても、発行会社の事業継続に疑義が生じる状況でない場合には、一般的に公正と認められる手続により公開買付けが行われ、その後に当該公開買付けの買付価格と同額でのスクイーズアウトが行われるときは、原則として当該公開買付価格が「公正な価格」と認められることを明らかにした点で、実務上一定の影響を有するものと思われます。

パートナー 大石 篤史
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アソシエイト 足立 悠馬
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文:森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2018年7月号 Vol.55より転載





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