「コーヒーかす」がエコ&優良な燃料に 英ベンチャーが挑戦する新リサイクル – NewSphere

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 イギリスで、再利用すると素晴らしい商品に生まれ変わる「価値あるごみ」が見つかった。日ごろ、私たちが気軽に飲んでいるコーヒーのかすだ。ロンドンのスタートアップ「bio-bean」が開発したコーヒーかすから作った家庭用燃料が「よく燃える上に燃焼時間も長い」と好評を得ている。

◆コーヒーかすを圧縮、手のひらサイズの燃料に
 bio-beanの「コーヒーログス」は、手のひらにのる円柱型の燃料だ。1個につき、乾燥させたコーヒーかす25杯分を固めている。1袋16個入り(6㎏)で1000円前後。2016年夏から小売店で販売したところ、「火がつきやすくて使いやすい」「コーヒーの香りではないが、いい匂いがして、長く燃える」と評判になった。ネットでも販売されている。


                                                        
                                                        

© bio-bean limited.

 この燃料はバーベキューなどの屋外イベントでも使えるし、イギリスでは薪ストーブがある家が多く、冬場はそこで使うのにも適している。ストーブ販売業者も燃料としておすすめしている。1個で1時間は燃えるという。

 コーヒーかすは、課金制でロンドンを中心に国内の企業から集められている。企業側からすると、お金を払ってかすを処理してもらっているわけだ。いまのところ、1500以上の企業(コーヒーショップ、レストラン、オフィスなど)からかすを回収しており、回収地域は徐々に広げていく予定だという。bio-beanと提携している専門業者が集めたかすを持って行く先は、ロンドン北部にあるbio-beanのリサイクル工場だ。

© bio-bean limited.

 この世界初と言われるコーヒーかすリサイクル施設で「コーヒーログス」は誕生する。工場は、今後の製造効率性を高めて、より環境にやさしいシステムにするために、この夏リノベーションして生まれ変わる予定だ。

◆CO2削減に貢献
 イギリスでは、年間50万トンのコーヒーかすが出て、ほとんどが埋め立て処理場に捨てられている。bio-beanのリサイクル施設で1年に処理できるのは、この1割(5万トン)だけだが、それでも、すでに大幅なCO2削減につながっている。

 ロンドンで40年以上前に設立されたイギリスではお馴染みのコーヒーショップ、Costa Coffeeもbio-beanの回収サービスを利用している。Costa Coffeeは国内に2000店舗以上あり、半数近くの店舗から出るかすをbio-beanに回収してもらっているおかげで、年間360トンのCO2を削減しているという。ほかにも、年間2400トン削減できたという企業や、以前よりも年に6割も少ないCO2排出量になったという企業など、回収の成果に喜ぶ企業は多い。

© bio-bean limited.

 これだけ環境改善に貢献しているとあって、bio-beanはメディアでもよく取り上げられている。さまざまな賞の授賞も続いている。最近は、最新の内装、家電品、デコレーションなどを展示したホームデザイン展「Grand Designs Live 2017」で、デザイナーでテレビプレゼンターのケビン・マクラウド氏が選んだ「エコフレンドリーな家にするためのグリーンヒーロー、トップ10」に入った。

◆高速道路サービスエリアも回収開始
 bio-beanの回収サービスに関心を寄せる企業は増えており、また新たな仲間が加わった。高速道路サービスエリアRoadchefが、サービスエリアでは国内で初めて回収サービスを利用し始めたのだ。28ヶ所から回収したかすは、2018年末までに200トンに達すると見込まれている。Roadchefでは、サービスエリアで「コーヒーログス」も販売している。

◆コーヒーかすから作ったバイオ燃料も実用化予定
 コーヒーかすの有効活用は「コーヒーログス」だけにとどまらない。bio-beanでは、「コーヒーログス」の業務用版燃料のバイオマスペレットも製造しているし、バイオ燃料の実用化も進めている。シェルと共同して、コーヒーかすから取ったオイルを、B20(バイオディーゼル20%と石油ディーゼル80%)の成分として使う計画だ。これを、ロンドンを走るバスの燃料にあてる。成功すれば、現段階のコーヒーかすオイルの量では、バス1台の1年分のB20になるという。

 日本ではコーヒーかすのリサイクルは企業内にとどまっており、ネットワークを作ってリサイクルするbio-beanの事業は一歩進んだ試みと言える。日本でもコーヒーの消費量は相当なもので、環境保全への関心も高いことから、bio-beanのような事業が実現すれば環境への貢献につながるだろう。





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