マンションを売るのに「ホームステージング」は効果があるのか、編集部員が試した結果は? – ダイヤモンド・オンライン

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マンションを売るときに、最近流行っている手法として「ホームステージング」が注目されている。物件の印象をよくすることで、高値で早期に部屋が売れると言われている。では実際にどの程度効果があるのか、編集部員が自分のマンションを売却する際に、ホームステージングを実施してみた。その結果は…。

費用に見合う効果はあるのか?

 ホームステージングとは、売りに出すマンションや家に、おしゃれな家具や生活雑貨を設置してイメージアップを図る手法のことだ。米国では一般的なやり方だが、日本ではまだ導入事例が少ない。 

 人の物件に対する印象は、最初の数秒で決まるとも言われている。ホームステージングによって高額で早期に売れるのであれば、ぜひ取り入れたいところだ。ただし費用として、在宅しながらであれば5万円以上、空室であれば20万円以上かかる。費用を支払った以上のメリットがあるかどうかは計算しにくく、二の足を踏んでいる人も多い。 

 そこで今回、編集部員の筆者が、自分のマンションを売却するタイミングでホームステージングを実施して、その効果を検証してみた。 

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在宅のままホームステージング 

 今回、売却したのは都内(城北地区)の築20年弱という中古マンション。間取りは3LDKで田の字型という標準的なマンションだ。大手デベロッパーによるマンションで、4年前に大規模修繕を行っており、管理状態は良好だ。 

 売却を依頼したのは不動産仲介会社の価値住宅(東京都渋谷区)。「売却の窓口」というブランドで不動産仲介会社のネットワークを展開しており、「他の不動産会社(仲介会社)へもしっかり情報を公開する」ことをモットーにしている。専任契約を結べば「ホームステージング」や「インスペクション」を、基本的には無料で実施してくれる。筆者も無料でホームステージングを実施してもらった。 

 売却スタート時はまだそのマンションに住んでいたので、「在宅ステージング」をすることになった。費用は5万円以上というのが相場だが、今回は価値住宅が負担している。 

 価値住宅のサイトでは、ホームステージングについて次のように解説している。 

 「価値住宅ではお片付けのお手伝いと、倉庫でのお荷物一時預かりサービスを行います。クリーニングやステージングをすることで、インターネットに掲載する写真の見栄えがよくなり、注目されます。内覧希望者の全体数を増やすことが、早く売れることに繋がるのです」 

 確かにその通りだろう。期待が高まってきた。 

米国帰りのプロのホームステージャーが担当

 ホームステージング当日にやって来たのは、プロのホームステージャーである田中正彦さん(ソルト・ステージングに所属)。米国でもホームステージングの経験があるこの道のプロフェッショナルだ。価値住宅の社員の手伝いも借りながら、半日がかりでホームステージングを行った。 

今回のホームステージングのポイントは3つ。
(1)溢れかえる荷物の“断捨離”
(2)生活感を消す
(3)新しい生活のシーンを想像させる

 では、それぞれ解説していこう。 

(1)溢れかえる物の“断捨離”

 ホームステージャーの田中さんが各部屋を見て回った第一印象は、「とにかく物が多いですね」。そこで、まずは物を減らすことからスタートした。 

 以下が、不要なものを“断捨離”する前後のリビング・ダイニングの画像だ。

ダイニングからリビングを撮影(before)
ダイニングからリビングを撮影(afetr)。写真提供:ソルト・ステージング

 特に物が溢れかえっていたのは、リビング・ダイニング。子供のおもちゃ、絵本、英語教材などが積み重なっており、他にもDVDや使っていないパソコンが置いてある。70平方メートル弱のマンションでは、収納もそれほど多くないので、こうした物を収納するスペースがない。 

 今回は、住みながらの「在宅ホームステージング」なので、溢れかえっている物の置き場はない。そこで、「不要なものは捨てる」と同時に、リビング・ダイニングに置けなくなったものについては、「物置部屋となっている部屋に押し込む」ことにした。もし、近くにトランクルームがあれば、一時的にそういったサービスを利用してもいいだろう。 

 結局、1時間ほどかけてリビング・ダイニングのものをダンボールに詰めて、物置部屋に移動した。その結果、物で溢れかえっていたリビング・ダイニングは、「大量の物に囲まれている部屋」から、「物が少ないすっきりとした、明るい部屋」に生まれ変わった。

(2)生活感を消す

 次に取り組んだのが、「生活感を消す」という作業。 

 「内覧会で失敗しがちなのは、生活感がありすぎて、内覧者が目のやり場に困ってしまうことです。それでは、物件を思う存分視察することができないので、気に入ってもらえる可能性も少なくなってしまいます」(田中さん)。 

 そこで、生活感のあるものはなるべく撤去することにした。 

 以下が、ホームステージング前後のリビング・ダイニングの画像だ。 

リビングからダイニングを撮影(before)
リビングからダイニングを撮影(afetr)。写真提供:ソルト・ステージング

 リビング・ダイニングでは、まず子供の写真や運動会のメダル、手形などはすべてダンボールにしまった。また、雨が降ったときのために、リビングに物干し竿をかけていたのだが、これも撤去してベランダに置いた。 

 ソファーの位置も移動。従来はソファーを壁につけて置き、リビングの中央は子供の遊び場として使っていたが、それではリビングとダイニングの境目が曖昧になり、それぞれの部屋の印象が薄くなってしまう。そこで、あえてソファーをリビングとダイニングの境目において、部屋の広さを実感できるようにした。 

 次に寝室もホームステージングで大きく変更した。以下が寝室の画像だ。

寝室(before)
寝室(afetr)。写真提供:ソルト・ステージング

 ミッキーマウスや熊のプーさんのぬいぐるみは撤去。カラーボックスに入れていた衣類は、生活臭が漂っており、雑然としたイメージを与えることから、物置部屋に移動させた。 

 さらに、ベッドは方向を180度変更した。

 「寝室に入った瞬間にベッドのヘッドボードが見えた方が、見栄えがいいですね。もともと、タンスとベッドの向いている方向が逆だったため、動線がでジグザグになっていましたが、ヘッドボードをタンス側にもって来ることにより、スッキリします。広々と使えるイメージも与えますね」(同)。

(3)新しい生活のシーンを想像させる

 購入希望者に「新しい生活のシーンを想像させる」ことも大切だ。 

 キッチンについては、シンクの上にある簡易食器棚、調味料やオタマをぶらさげる壁面収納をすべて撤去した。便利なのは確かだが、写真を見ればわかる通り、生活感が溢れていた。 

 以下がキッチンの画像だ。 

キッチン(before)
キッチン(afetr)。写真提供:ソルト・ステージング

 物が減ったことでキッチンが見違えるように綺麗になり、広さが感じられるようになった。もちろんゴミ箱も(一時的に)撤去した。 

 さらに「新しい生活のシーンを提案」するため、キッチンには、大ぶりのティーポットと、カップアンドソーサーをさりげなく置いた。マンションのモデルルームでよくみる、ティータイムを想定したシーンだ。食器は、何かのお祝いでもらった英国王立園芸協会ブランドの陶器を使った。

英国王立園芸協会ブランドの紅茶セットで、ティータイムを演出

 また、ダイニングテーブルにはフルーツと造花を置き、リビングのテーブルにはバイオリンを飾って、非日常感を演出した。 

 「家にあるものをうまく使うだけでも印象は大きく変わります。費用も安く抑えられます」(同)。

ホームステージングした写真で販売図面を作成

 こうしてホームステージングを終えると、田中さんと価値住宅の社員は、すぐに部屋を撮影。撮った写真を元に作った販売図面が以下の画像だ。

ホームステージングを施した写真を掲載した販売画面

 筆者の物件の販売図面には、合計6点の室内写真があり、フルカラーの図面は、ワクワク感がある。さらにVR技術を使った特殊カメラで室内をパノラマ撮影しており、パソコンやスマホで部屋の中を360度内覧できるサービスもつけてくれた。

 実は、同じマンションではすでに売り出されている住戸が複数あったが、その販売図面を見ると、マンションの外観と間取り図が載っているだけ。ポータルサイトへの登録ページを見ても、ピンボケの室内写真が一点ある程度で、魅力は感じられなかった。少なくとも、販売図面を見る限りは、「内覧してみたい物件」ではなかった。 

わずか1週間で売却!

 販売を開始したのは2018年の2月。それから1週間後、客付け業者(買い手側の不動産会社)が1組目の内覧者を連れてきた。 

 価値住宅の担当者からは「ホームステージングしたときと寸分と違わないように、綺麗にしてください。それだけで印象がかなり変わります」と念を押されたので、バイオリンや造花まで、ホームステージングをしたときと同じ位置に置いた。 

 内覧者はすべての部屋を20分ほどかけて、隈なく見学した。ホームステージングの効果もあってか、盛んに「きれいに使っていますね」と言われた。リビング・ダイニングに入ったときは、「ほおー」と息を漏らし、感心した様子が伺えた。ホームステージングによる効果が感じられた瞬間だった。 

 その後、内覧者は、同じマンション内の別の部屋も内覧したが結局、筆者の物件に買付証明を出して、そのまま契約することになった。わずか1週間でマンションが売却できたのだ。 

 価格についても、最初の売り出し価格から、わずか100万円の割り引きで成約できた。もともと、筆者の部屋よりもスペックが高い(部屋の向きが良い)住戸があり、その部屋と同じ値段で売り出すというやや強気な価格設定だったので、100万円程度の割り引きなら問題はなかった。 

ポータルサイトでも、まずまずの反響

 では、ホームステージングした写真を掲載した不動産ポータルサイトからの反響は高かったのだろうか。 

 次の画像が、不動産会社からの業務報告書だ。すぐに売れてしまったために、スタート時の一週間分しかない。閲覧されたページビュー(PV)は以下の通りだ。 

ホームステージングした物件のPV数(媒介業務報告書の一部)

 結果は、スーモが204 PV(平均34.0PV/日)、アットホームが92PV(平均15.3PV/日)、ホームズが92PV(平均13.1PV/日)だった。こうしたポータルサイトは、最初に一覧ページが表示され、そこから各物件をクリックして閲覧する流れとなっている。一覧ページには小さいながらも写真を掲載できるので、ありきたりな外観写真を載せるのではなく、ホームステージングした魅力的な写真を添えることで、詳細ページへ誘導するようにした。 

スーモの物件詳細ページ

 都内のある不動産仲介会社に聞いたところ、「類似物件の閲覧数に比べて、クリック数は倍近くある」という。また、価値住宅からも「まずまずの数字」との評価をもらった。ホームステージングの画像をアップすることで、一定の注目を集めることはできたようだ。 

結論:ホームステージングはライバルに差をつけるための必要経費

 以上が、ホームステージングをしたマンション売却の顛末だ。 

 ホームステージングをすれば、高く、早く売れるとは限らないが、少なくともイメージアップにつながるのは間違いない。特に同じマンション内に売り出し中の物件があるなど競合する相手がいる場合は、「ライバルに差をつけるツール」として有効という実感を得た。 

 ホームステージングは、在宅でない場合、ソファーなどの大型家具をレンタルするため、20万円以上かかる。この金額に二の足を踏む人も多い。ただし売れない場合には100万円単位での値下げをしなければ新しい反響が生まれないことを考えると、「20万円」という費用は実は大きな金額ではないかもしれない。 

 マンションを売る時には、ホームステージングも一選択肢として検討するといいだろう。

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