北陸まち歩き/6 富山・テレビカー 旅の楽しさ、つないでる /北陸 – 毎日新聞

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第2の人生を送る「テレビカー」の魅力を語る市田薫さん(右)と山海勝さん=富山市で、森野俊撮影



 富山市と宇奈月温泉、立山などの観光地を結ぶ富山地方鉄道(地鉄)の列車「ダブルデッカーエキスプレス」は、47年前にデビューし、今も現役で走っている。1971年から2013年に、大阪と京都をつなぐ京阪電気鉄道で運行後、富山で「第二の人生」を送る。「出身地」の関西からの客や鉄道ファンからは、「懐かしい」「ずっと乗ってみたかった」と人気が高く、今や、地鉄を代表する列車になっている。

 4月下旬の夕方、電鉄富山駅(富山市)に、標準色とは違う赤色と黄色の派手な列車が到着した。先頭車にはハトのヘッドマーク、側面には「テレビカー」の文字と京都三大祭りの一つ「時代祭」のイラスト。富山らしさのかけらもない。

 ドアが開くと、次々と降車。多くが登山服に、大きなバックパック姿。「立山黒部アルペンルート」からの帰りとみられる。ホームで脇目も振らず撮影していた高橋裕市さん(45)=神奈川県横須賀市=もその一人だ。

車内に設置されたテレビ=富山市で、森野俊撮影

 「テレビカーはど真ん中の世代ですよ。子どものころ、憧れていました」と興奮状態。京阪時代には乗ったことがなかったという。景色が目当てなら中間車だが、当然、テレビのある車両を選んだ。「昔をしのぶ駅も多くて素晴らしい。こういう古き良きものはずっと残ってほしい」と満足そう。「田んぼに映った雪山にも感動しましたよ」と付け足した。

 この列車が「休息」を取るのは、電鉄富山駅の隣の稲荷町駅。その近くにある富山地鉄の事務所を訪ねた。

 対応してくれたのは、営業課の市田薫さん(31)と管理課の山海勝さん(49)。北陸新幹線の金沢駅延伸による観光客増を見込み、観光列車を導入することに。白羽の矢が立ったのがテレビカーだが、京阪とは線路幅が異なるため、台車に改造を施すなどした。

 当初は、テレビを撤去。しかし、利用客や鉄道ファンから「テレビを置いてほしい」と要望が相次いだ。1、2年後に再び設置したが、「それだけが復活の理由かどうかは謎」(市田さん)という。

 紆余(うよ)曲折の末、現在も車内でテレビが見られる。チャンネルは車掌の気分で変わるとか。通勤・通学ラッシュ帯は日常の足として平日に1往復、駆り出される。市田さんは「車両が足りないので頑張ってもらっています」と笑う。

 観光列車の本来の役割としては、中間車2階からの景色がおすすめという。座る位置が他より1メートルほど高く、車窓にパノラマが広がる。台車など各部のパーツは都内の地下鉄・東京メトロやJRの中古品を使っており、ファンにはたまらない点も。だが、山海さんは「メンテナンスは大変なんですが」と苦笑い。

 新天地で、乗客にも社員にも(?)愛されて、幸せそうだったテレビカー。取材の終わりに、市田さんと山海さんに「いつまで走る予定?」と尋ねると2人は口をそろえた。「ずっとですよ」。富山に「昭和」はずっと残りそうだ。【森野俊】=つづく


 ■メモ

 「テレビカー」は京阪電気鉄道が1971(昭和46)年に導入した。他社との差別化を図ろうと、大阪と京都を結ぶ特急列車にカラーテレビを設置した。インターネットの普及やワンセグ放送の開始、車両の老朽化のため、2013年に運行を終了。直後に富山地方鉄道に譲渡され、同年8月から観光列車に衣替えした。座席数165席の3両編成で、中間車のみ2階建て。問い合わせは富山地鉄営業課(076・432・5540)。






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