華僑ピアノ“里帰り” 戦前 李兄弟製作の貴重な1台 – 東京新聞

Home » ショップ » ピアノ » 華僑ピアノ“里帰り” 戦前 李兄弟製作の貴重な1台 – 東京新聞
ピアノ コメントはまだありません



ローズホテル横浜に寄贈された李ピアノ=横浜市中区で

写真

 横浜華僑の兄弟が一九二〇〜四五年に製造していたピアノが、ローズホテル横浜(横浜市中区)に寄贈された。製作者の名前から「李ピアノ」と呼ばれるこのピアノは現存数が少なく、横浜華僑の経済・文化活動を知る上での貴重な資料。ホテル一階ブライダルサロンに展示され、自由に見られる。(志村彰太)

 製作者は、中国浙江省出身の李佐衡(りさこう)と良鑒(りょうかん)の兄弟。佐衡は〇四年、横浜でピアノ製造業を営んでいた叔父・周筱生(しゅうしょうせい)を頼って来日し、修業を積んだ。二〇年、良鑒と一緒に独立し、李兄弟ピアノ製作所を開設した。李兄弟、周ともに現在の南区堀ノ内町に工房を構え、アップライトピアノを製造。太平洋戦争末期の四五年四月、空襲で工房が焼失し、廃業した。

 横浜開港資料館によると、李ピアノは全国に八台、周ピアノは二十五台しか確認されていない。伊藤泉美・主任調査研究員は「華僑といえば、料理人や商人を思い浮かべる。しかし、職人も来日し、西洋の技術を日本にもたらした。ピアノはこうした歴史を示す貴重な証拠」と解説する。

 寄贈されたピアノは、九〇年に静岡市清水区の中山あおいさんが中古で購入。製造番号などから、三〇年以前の製造とみられる。もともと黒だった外観を購入時の修復で緑に塗り替え、象牙の鍵盤はそのまま残っている。自宅を改築するのに伴い、伊藤さんを通じて寄贈を申し出た。

 ホテルの担当者は「当社の李宏道社長と同じ名字だったので親近感が湧き、受け取りを決めた。派手な緑色もホテルの雰囲気に合っている」と話した。

この記事を印刷する





コメントを残す