手術の器材、リサイクルして再利用を検討 – 財経新聞

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 日本の医療は器材や技術も含め世界最高峰ともいわれている。それだけに医療費についても高額にのぼることも少なくないが、このたび医療器材についてのリサイクルの検討が始まった。2017年に国が医療器材のリサイクルについての法整備を行ったことを受けて、医療器材を開発するメーカーや実際に器材を取り扱う業者が協議会を結成し、リサイクルの実現と普及を目指している。

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 医療器材のリサイクルの協議会では、医療製品の有効活用がリサイクルの主な目的とする。医療器材を開発巣しているメーカーでは、使用回数を基本的に1回だけと定めているものがほとんどであり、その中には手術で使われる電気メスやノコギリなどといった刃が多い。使用回数を1回だけと定めている理由は、医療技術の安全性を高めるという目的がある。医療器材というものは常に感染の危険性にさらされているため、使用回数を1回だけに限っているのだという。その反面、実際にこうした器材を利用する側にとっては滅菌すればまた使えるのではないかという声も少なくなかった。

 こうした医療者側の要望を受けて、2017年7月に厚生労働省では医療器材のリサイクルが可能なシステムを整備することとした。このシステムは、医療器材メーカー側は使用済みの器材を分解、滅菌することで新品と同等であるということの承認を受けることができれば、リサイクル品として販売することができるというもの。医療器材のリサイクルについてはコスト面や技術面についての課題も決して少なくないことからシステムの整備は慎重に進められていた。

 医療器材のリサイクルについては、これまでにも医療機関側の独断で滅菌して再利用していたという背景がある。再利用を独断で行っていた医療機関は、神戸大学病院や東京医科歯科大学などのほか、大阪国際がんセンターなどでも再利用が発覚しており、特に電気メスの電極の再利用が最も多かった。こうした独断での再利用の多発を受けて、リサイクルのガイドラインを定めることで、医療そのものの信頼と安全性を高めることが狙いだ。

 手術などで使われる電気メスの電極は1本あたりおよそ2万円前後であり、コスト削減という目的から再利用していたケースも少なくない。医療器材のリサイクル協議会では、滅菌し安全性の保証ができたものを再度販売できるよう環境整備を進めている。早ければ2018年内に販売をスタートしたい考えだ。安くても品質が保証できる医療器材が使われるようになれば、医療機関独断での再利用についても少なくなるとの見通しである。(編集担当:久保田雄城)

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