世界最大の電気街、深セン「華強北」とっておきガイド – ニコニコニュース

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 香港の北に隣接する中華人民共和国広東省深セン市。ここは「電子機器の製造工場がたくさんある」というイメージが強いかもしれないが、実は近年とんでもなく変貌を遂げ、多くのハードウェアスタートアップが集積する異様な活気を呈した街になっている。

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 ドローンがブンブン飛び、LEDはギラギラと輝き、ホバーボードは走りまくり、町中にIoTシェアサイクルやEVのタクシーやバスが走り回り、屋台では皆がスマホで電子決済するという、近未来ハイテンションシティと化しているのだ。

 そんな深センに日本から通い詰めるギークが増加しているが、そのうちのひとり、ITコンサルタント/ライターの茂田カツノリによる「深センの今」をお伝えする新連載、スタート!

●未来予測が必要なら深センへ

 「深センが超面白いよ」というチームラボ高須正和さんの呼びかけで開催されている『ニコ技深セン観察会』に参加したのが2016年8月。その後なんだか深センにどっぷりとハマり、ほぼ毎月通いつめている。深センに通う仲間は多数いるのだが、先日「日本在住で一番高頻度で通ってるのって誰だろね?」と聞いたら、みんなに「アンタやろ」と言われてしまった。そんなペースで拾った情報を紹介していこう。

・ニコ技深セン観察会

 中華人民共和国広東省深セン市は、マジ面白い。特に、未来予測的なことが仕事上必要な人は、まずは行って実体験してこなきゃだ。

 筆者が深センに通い始めたのが2016年の夏。その頃からのたった1年で地下鉄路線は増え、バスはどんどんEV化、シェアサイクルが一気に普及するという超高速で変化を続ける街、それが深センだ。

 2017年後半あたりからはさまざまなメディアやブログで深セン訪問レポートが増えたので、深セン市の成り立ちや歴史などはそちらを参照してほしい。この連載の第1回としては、まず世界最大の電気街「華強北(ふぁーちゃんぺい)」の探索法として、いくつかの押さえるべき地点をご紹介する。

●ピークは過ぎたがまだまだパワフルな電気街「華強北」

 電気街の賑わいは数年前がピークで、いまはインターネット通販やパソコン周辺機器市場の凋落もあり、落ち込んではいるそうだが、それでもすごい賑わいの市場もある。電子工作好き、スマホ好き、新しもの好きな人はぜひ訪れてみてほしい。よく「華強北は秋葉原の30倍」などと言われるが、家電や雑貨類などの小売店の中に電子パーツ屋が数える程存在する秋葉原と、一般人は対象としていない問屋街の華強北とはそもそも比較するものではない。

 とはいえ全体像を把握し面白い場所にたどり着くのはそれなりに苦労するので「ここに行ってほしい」というポイントをご紹介する。華強北の案内は多数のブログで紹介されているが、とにかく信じられない規模で全容を掴むのは無理なので、どうしても行ってほしいところを重点的にご紹介する。

 筆者自身、深セン在住の多くの方に教えていただいた結果であり、先人の皆様に感謝しつつご紹介させていただく。

深センに行く準備

 航空券やホテルはいまやネットで自在に予約できるが、そのコツを書くと長くなるのでごく簡単にご紹介する。

・航空券

Step1:Skyscannerで便と相場を確認

Step2:LCCの場合はオプション設定の都合があるので航空会社のサイトで予約する

例)香港エクスプレス

 深センにも大きな空港はあるが日本からの便は香港のほうが選択肢が広く、そして安い。LCCの旅は手荷物のみで身軽に行こう。一般的な旅行の他に必ず持っていくべきなものは以下のとおり。これは本当に必須で、ないと話にならないレベル。

・ホテル

 中国のホテルが予約しやすいサイトはagodaとCtrip。

・持ち物、必須アイテムの準備

 普段使ってるスマホに以下のアプリをインストール:

 WeChat アカウントを取得

 WeChat Pay 誰かから1元送ってもらいクレジットカードで本人認証してアクティベートしておく

 Google翻訳 日本語と中国語の地図をダウンロードしておく

 百度地図 深セン市の地図をダウンロードしておく

・ローミング用SIMロックフリースマートフォン

 中国はインターネットの規制がありGoogle、Facebook、Twitterなどが使えない。しかし海外SIMのローミング接続ならこの壁を超えられる。日本のキャリアの海外ローミングを使ってもいいが高価なので、香港でSIMを買って中国でローミングするのがお勧め。

※スマートフォンは深センでももちろん買えるが、中国仕様なのでAndroidなのにそのままではGoogle Playが使えないなど、各種の制約がある。これを日本語化するのには一定の知識が必要。また華強北で売ってるものは偽物ばかりなので、買ってはいけない。もし買うなら、安価で日本語化情報も多いXiaomi(シャオミ、小米科技)をお勧めしておく。

 新しいショッピングモール「深セン万象天地」に「小米深セン旗艦店」がある。

※施設名などには中国で役立つ「百度地図(baidu map)」のリンクを付与してある

 実際に行くためにはそれなりの「心構え」が必要なので、そこは決して「聞きかじり情報」に惑わされることなく取捨選択しよう。

・深センへの移動

 香港から深センへ移動する方法は多くの選択肢があるが、香港空港から公共交通機関の場合は市バス「A43」または「A43P」に乗り「上水駅」で電車に乗り換え北に1区間、「羅湖」もしくは「落馬洲」という駅から深センに進もう。香港を出国し、入国カードを書いて入国審査を通過したら、そこはもう中華人民共和国だ。深セン市に入ったら自販機や販売ブースで「深セン通」という地下鉄カードを必ず購入。毎回切符を買おうとしても小額紙幣がうまく認識できなかったりするので。

電気街めぐりの日程、時刻、注意点

【曜日・時刻など】:深セン・華強北の電気街はあくまで問屋街。朝は10時からだが12時開店の店もあり、おおむね18時-18時30分には閉店する。ただし後述するスマホリペア用品ビルだけは20時過ぎまでやっている。月-土は営業しており、日曜も7割がた営業している。ただし中国の祝日はごっそり閉店するので要注意。特に2月の春節や10月の国慶節は長期間ビルごと閉まるのでこの時期に行っても意味がない。

【写真撮影】:電気街は原則として写真撮影禁止。お店の人は怒らないが警備員に怒られる。店舗や商品の写真を撮影したい場合はお店の人の許可を取ればOKで、断られることはまずない。

【言葉】:英語はごく一部でしか通じないので、Google翻訳アプリで必ず辞書をダウンロードして用意しておこう。日本語→中国語は精度が悪いので、必ず英語→中国語の翻訳を使おう。ただし価格交渉なら言葉は不要で電卓だけでいける。

【お金】:外貨とかクレジットカードとかは絶対使えない。中国元の現金でもよいが、なんとしてでもWeChat Payを用意しておくことをお勧めする。あとで買った場所や金額をチェックするのにとても便利だ。現金で買い物してお釣りをWeChat Payでもらうことや、買い物のついでに現金を渡してチャージしてもらうこともできる。

 なお華強北にはいくつかの外貨両替所があるが、実はこれらはさほどレート悪くない。もちろんレートはしっかり確認しておくこと。両替結果をWeChat Payにチャージしてもらうこともできるが、これはあくまで窓口の人が個人的な厚意でやってくれる話なので、してくれなくても文句言わないこと。

【買い物】:商品に値札は付いてないので、買いたいものの個数を伝えて値段を聞こう。なお原則として値切りはしなくていい。華強北は観光客ではなくプロのバイヤーが来る場所なので、1個や2個で値段を吹っかけるほどお店は暇じゃない。また重要な点として、もし値切る場合は「その値段でOKされたら買う」という意味であることは意識してほしい。みんな真剣勝負なのだ。そして買ったものの動作チェックは面倒がらずその場で行うこと。

 なお中国元についてはざっくり「約6元で100円、58元で1000円、580元で1万円」と覚えておくとよい。

朝10時からまる1日で華強北電気街を攻略しよう

 繰り返すが、華強北の電気街はあまりに店数が多く、全容を紹介するのは無理。そこで全容を把握するために行くべきポイントを紹介する。これを回るだけで最低でも1日、買い物をするならば2-3日は必須と思ってほしい。それだけ規模が大きいのだ。

【Step1】:71階建の「SEG Plazaビル」を目印にSEGグループの市場を回る

 電気街の南側にそびえる71階建のビル「SEG Plaza=賽格広場」を、まずは目印として覚えておこう。ここはビル名は「賽格広場」だが市場は「深セン賽格電子市場」という名称となっている。地図からわかりやすいようビル名でご紹介するが、看板には市場名が書いてあるので気をつけてほしい。賽格広場から北に2階もしくは3階通路で隣のビルとつながっているという構造なので、以下の市場を回って雰囲気をつかんでほしい。

1. 賽格広場:71階建ビルの10階までが「深セン賽格電子市場」で、他市場では減っているパソコン関連機器が比較的多い。ここの2階には深センでは珍しくArduinoやRaspberry Piなどのボードを販売する「M.J.Arduino」というお店があり、店主のM.J.は深センの日本人の間では有名人だ。

2. 宝華大厦:「賽格工広店」という名の市場で、2階にVR用品の問屋がある。1と2はドローンのお店でつながっている。

3. 賽格康采大厦・賽格工業大厦・賽格経済大厦:このあたりのビルは何度見て回ってもどこが境界なのかわからない雑然さで、おおむね「賽格通信市場」というスマホのケースや分解工具、その他スマホ関連製品の市場となっている。2階・3階がメインだが他のフロアにも多様なお店がある。スマホ関連のお店はどこも大変な活気がある。

 このようにSEG Plazaからビル内でつながっている複数の市場を回るのが、攻略の第1ステップだ。

【Step2】:あやしいケータイが集う「Yuanwang Digital Mall」(遠望数碼城)

 SEGのビルから北に通りを渡ったところに、あやしいスマホばかり売ってるビルがある。華強北では他にもスマホを売っているが、品揃えではここの2-3階がいい。工事現場用の大音量ガラケーや、360度カメラ内蔵スマホなど怪しいものたくさん。ただしAppleやSamsungなど、ブランド物のスマホはまず偽物と思った方がいい。ここはそういう場所だ。

 そして華強北で一番買ってはいけないもの、それは実はスマホだ。まず偽物ばかりで「4G」という表記があっても嘘なことが多いし、仮に本物でも中国で売ってるAndroidはそのままではGoogle Playにアクセスできないから、日本語化するには相応の技量が必要。

【Step3】:「HQ-mart」(華強広場)でLEDを漁りフードコートへ

 遊歩道の西側に移って「華強広場」という名の巨大なビルに入ろう。ここは1階がPCショップ、2-4階がおみやげになりそうな様々な電気製品、5-6階がとにかくLEDばかりというお店。電子工作する人なら「WS2812B」というフルカラーLEDのリングやテープが圧倒的に安いから、ぜひ買っておこう。電子工作しない人でもコントローラとセットで買えば十分お土産になる。

 ここの5階にはフードコートがある。現金での支払いは原則できないのでWeChat Payを用意しておくか、中央のカウンターでここ専用のICカードを購入する。

【Step4】:部品商ビルを少しのぞいてみよう

 HQ-mart(華強広場)の西隣にある「新亜洲国利大廈」や「都会電子城」などいくつかのビルは、よりプロ向けの部品商が入っており、リールに入った部品を最低1000個といった数で購入するようなお店。ここを活用するには相当な知識を要するので、さっと見るくらいにしておこう。他のエリアとも少し雰囲気は異なる。

 なお筆者はこのあたりでフルカラーLEDの「WS2812B」チップを買って電子工作仲間に小分けして売ったりしている。

【Step5】:「深セン国際電子城」でおみやげを買おう

 Step1の出発点であった71階建「SEG Plazaビル」のすぐ東側にある「深セン国際電子城」は、地下1階で激安アクションカメラやファミコンっぽい謎のゲーム機が売られていて、楽しいのでぜひみておこう。

【Step6】:怪しいスマホリペアパーツのビル「龍勝通訊市場」に潜入しよう

 電気街の南側にあるバス通り「深南中路」を地下で横断した南側にマクドナルドがあるが、そのすぐ右脇にあるエスカレータを上がった2-3階にとんでもない規模のスマホリペアパーツの市場がある。ここはおそらく華強北でもトップクラスの賑わいで、20時過ぎまで営業している。スマホの修理屋さんを開業したいならここですべてが揃うが、バッテリーはじめ部品はすべて偽物だ。

 なお、華強北で部品を集めてiPhoneを組み立てるという話題があったが、それはこのエリアで可能。iPhoneのCPU部分(SoC)は偽物が作れないが、ここでは破損品などから取り出したSoCが売られている。

【Step7】:最後にあまりに怪しすぎる中古スマホ市場「新天地通訊電子市場」に行こう

 ただでさえ怪しい雰囲気満載の華強北でも、最大級に怪しいのがここの1階にある中古スマホ市場だ。中古というか、ほぼ壊れてるものが平気で取引されている。ただしここは観光客然とした風貌だと入れてもらえず、写真を撮ると激おこされるので、ささっと歩いて回るくらいがいい。

 せっかく深センに来たからには、ここの雰囲気だけは是非とも味わってほしいと切に思う。街を歩くだけでも様々な面白い光景に遭遇するので、ぜひとも一度自分の目で確認してほしい。その場合、くれぐれも無灯火・無音の電動バイクには気をつけてほしい。

 深センには、単なる生産受託企業ではない新しい製品を開発・製造している企業も多く存在しており、それは電気街だけをみていてもわからない点ではある。次回以降はそうした企業の紹介を行っていく。



華強北電気街の南側にそびえるSEG Plazaビルは、迷った時の目印に役立つ



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