築40年超の空室目立った中古賃貸物件、全戸DIY可で入居待ちの人気物件へ(後) – NET-IB NEWS

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こだわり住居として蘇える

 まず家賃の5年分を改装費として同社が支給する。とはいえ、配管などの設備更新に多くの費用がかかってしまい、残りはわずか。内装業者に頼んだ場合、明らかに資金が足りなくなってしまう。

 そこで、安くできるならと、DIY可に決めた。時間はかかるが、費用は材料費のみ。友人知人が手伝いに来て、口コミで広がる。家賃を上げても納得してくれるうえ、自分がつくった部屋に愛着が湧くことで、入居期間は長くなる。同社保有のビルは3棟あり、計60戸。退去が決まった部屋からスケルトン化して、募集をかける。

 現在、約30部屋がDIYにより生まれ変わった。空室はわずか1、2部屋で、入居待ちも出ている。新しい入居者は30代が多く、建築士やデザイナー系などのこだわりを持つ職業の方が目立つ。ビル1階には入居者が無料で使える工房も備え、戸棚やタンスなどの家具を手づくりできるようになっている。

 「人は十人十色。衣食住のうち、日本では衣食は選択肢が多いが、住に限っては、とくに賃貸市場では、徒歩10分圏内、新築が好まれる傾向が強く、不動産業者もその傾向に合わせて案内する。それでは、選択肢が少なくなる」(吉浦氏)。

 こだわりがある方のニーズを叶えられるのが、吉浦ビルの強みだ。海外経験で視野も広がった。「日本人は住に関する経験が少ない。海外では、小さいころからDIYの経験があり、一人暮らしを始める年齢になれば、壁の塗り替えや簡単な家具の製作などを経験する。結婚して、家をつくるときには、自分の住みたい家をイメージできる。日本では、そこが違う」(同)。

住居の次はコミュニティづくり

 地域が衰退すれば、いずれはビルの入居にも影響が出てくるが、「不動産業は物件だけではなく、その地域を変えていく必要がある」と吉浦氏。

 そこでコミュニティづくりのために、「上長尾テラス」を開設。カフェとレンタルスペースを設けて、人的交流の場をつくった。毎月のイベントには、子どもから大人まで幅広い年齢層が参加。レンタルスペースの利用も活発になっている。またコンサル事業として、(株)樋井川村を設立。同じように、ビル経営に悩むオーナーからの相談を受け付けている。

 「将来、新築で家を建てるための予行練習」と語る入居者もいるという吉浦ビル。賃貸住宅の新しいかたちが広まりつつある。

(了)
【東城 洋平】

<COMPANY INFORMATION>
(有)吉浦ビル
代 表:吉浦 隆紀
所在地:福岡市城南区樋井川2-2-5 第2吉浦ビル1F
設 立:1972年11月
資本金:1,200万円
URL:http://www.yoshiura-build.jp





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