衣料品ECモールが挑む古着販売 – 通販新聞

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 衣料品EC市場では、品ぞろえや利便性などを強みにファッションECモールが市場拡大に引き続き貢献しているが、主戦場である新品の市場に加え、一定の成長が見込まれる古着市場(二次流通)に打って出るモール運営企業が増えている。二次流通は「メルカリ」に代表される個人間取引きのフリマアプリが急拡大していることもあり、以前に比べて古着・中古に対する消費者の心理的ハードルは下がっている。一方で、衣料品に限らず商品の調達面で苦戦する企業が出てくるなど二次流通ならではの難しさもあるようだ。ファッションECモール運営各社が挑む古着販売の戦略や現状について見ていく。

クラウンジュエル 「買い替え割」が仕入れの4割に

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スタートトゥデイ100%子会社のクラウンジュエルは、ファッション通販サイト「ゾゾタウン」内で展開するブランド古着の専門店「ゾゾユーズド」が高成長を続けており、古着のECで存在感を高めている。とくに、二次流通市場での成功に欠かせない商品調達面では、「買い替え割」の導入が大きく貢献している。

 買い替え割は、消費者が「ゾゾタウン」で新品を購入する際、過去に購入した商品から「下取りに出したいアイテム」を選択すると、その場で下取り金額分を割り引いて新品が買えるサービスで、昨年11月にスタートした。利用者は、新品の購入商品と一緒に届く下取りアイテム配送用のバッグに下取り商品を詰めて送るだけだ。

 買い替え割は「ゾゾタウン」で一次流通に取り組む強みを活用。新品の販売時期や定価、当時の人気度合、売れた数などさまざまなデータがあるため、買い替え割では利用者から古着が届く前に買い取り価格を提示できるという。

 従来は、古着の入った専用バッグを開けるまで中身は分からなかったが、買い替え割は”これを買い取ります”というオファー式のため、「ゾゾユーズド」で販売が見込める商品だけを対象に価格を提示し、引き取った時点で利益を確保できる仕組みとして機能している。

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実際の商品を確認する前に下取り価格を提示しているが、サービス開始前に入念なテストを行い、未回収率や買い取り品のコンディションによるロス率も加味して値決めをしているという。

 現状、「ゾゾユーズド」の買い取り商品のうち、買い替え割経由が4割程度となっており、調達面で大きく貢献している。

 また、「ゾゾユーズド」では、例えばトップスはハンガー掛けの画像とモデル着用画像の2種類があるが、モデル着用画像を使っているのは買い替え割の商品で、「ゾゾタウン」で新品を販売したときの商品情報とコーディネートを含む画像を再利用しながら、新品の発売時期や定価、商品のコンディションなどを記載。「これまで古着のECで実現できなかった着用画像のハードルを越えられるのは大きい」(宮澤高浩社長)としている。

 商品調達面では、2015年に開発した「リユースバッグ」の存在も大きい。クラウンジュエルでは古着を買い取る際のキットを従来の段ボールから自宅のポストに入るサイズのバッグにしたことで、利用者が不在でも受け取れるようにし、それ以降、買い取りが大きく増えているようだ。

 こうした商品調達力の拡大に伴い、同社では倉庫に届いた古着の査定をスピーディーに行うため、経験がない人でも判断できる自動査定のシステムを開発。アルバイトの査定スタッフを中心に増やしている。

 同社によると、新品の一次流通でよく売れた商品は「ゾゾユーズド」でも早く売れ、一時流通で売れなかったアイテムは二次流通でもなかなか売れない傾向が強いことから、「当たり前ではあるが、売れる商品を仕入れ、それがいくらで、何日以内に売れたかということを突き詰めている」(宮澤社長)とする。

 同社の17年3月期売上高は前年比約6割増の128億円強と高成長を遂げているが、18年3月期も4割増しとなる180億円を計画している。

クルーズ ファストファッションで特化

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ファストファッション通販サイトの「ショップリスト」を手がけるクルーズは3月より、ユーズドファッションアイテムの売買アプリ「ショップリストユーズド」を運営しており、ショップリストとの連携強化や商材集めの手段を段階的に拡充していくことで差別化を進めている。

 開始から約半年間で、まず、見えてきたのが商材集めの課題。同アプリはフリマ形式(CtoC)で開始しているが、出品作業への手間といったニーズに応えるため、8月には古着の買い取り販売を手がけるベクトルグループと組んで買い取り販売サービス(BtoC)も導入した。

 また、直近では顧客のファッションアイテムを1箱あたり月額250円で同社の物流倉庫で預かるサービスも開始。顧客にとっては普段着用していないようなアイテムを預けることでクローゼットに空きができ、保管アイテムはアプリ上で自由に取り出すことやそのままショップリストユーズドへ出品することも可能となる。

 開始直後から数十点を預ける利用者もいるようで今後もニーズは増えていくと見込んでいる。当初からあった「CtoC」に「BtoC」や「保管」機能を追加したことで様々な角度から商材開拓を図っていく。

 そのほか、ショップリストとの連携によるプロモーションとしても、ショップリスト利用者に向けて過去の購入商品一覧からマイページで出品できるような導線を取り入れたり、どの商品が今いくらで売れるかといった情報を提示することも実施。ユーザーと接触頻度の高いページでアプローチして、出品への動機づけを図っている。

 現状、ユーズドの利用者はショップリストと同様の若年層。しかしながら、若年層ほど出品作業などに手間を感じる傾向も強いことから、今後は30~40代の層を取り込んでボリュームの底上げを図っていく考え。

 また、差別化のポイントとしては、ユーズドにおいてもファストファッションの領域からぶれないことを挙げている。「(アパレル市場の)ボリュームゾーンはファストファッション。今の中古市場で他社がいかないところが金脈となり、そこにビジネスチャンスがある」(張本貴雄取締役)とした。

 なお、中古アパレルEC市場の傾向として、各社、一次流通(新品ビジネス)の10~20%程度の規模を目指して展開しているところが多いことから、同社でも今後5年程度を目安に同様の規模を参考値として目指していく。

マガシーク ”お得”の選択肢広げる

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マガシークは今年7月下旬に、アウトレット商材を扱う通販サイト「アウトレットピーク」の品ぞろえ拡充と提案力を高める目的で、同サイト内に古着を販売する新サービス「ユーズドピーク」をオープンした。

 同社のアウトレットECはこれまで順調に成長したものの、新品・定価商品を扱う一次流通については、衣料品不況の影響などからアパレル企業が生産量を絞っているため在庫の確保が難しくなってきており、「安定成長に危機感を感じている」(出戸和芳アウトレットピーク事業本部長)という。そのため、消費者が”お得”と感じる古着も「アウトレットピーク」との親和性があると判断。取り扱いを強化しているネットSPAブランドのアイテムと同様、古着もお得な商品として同サイトで扱うことになった。

 「ユーズドピーク」を始めるのに当たっては、古着の買い取り販売を手がけるベクトルグループと提携。古着の査定・買い取りと”ささげ”の業務をベクトルが担うことで、迅速な事業化につなげた。撮影についてはマガシークが技術協力しているという。

 古着の買い取り窓口は新品を扱う「マガシーク」と「アウトレットピーク」内に設けており、ベクトルが査定した古着のうち、状態の良い商品(Bランク以上)はマガシークが販売し、それ以外はベクトルが持つ複数の売り場で取り扱う。また、マガシークが販売して1カ月半が経っても売れない商品はベクトルが引き取って同社のチャネルで処分するため、マガシークに在庫リスクはない。

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 「ユーズドピーク」は約1200型の品ぞろえでスタートし、足もとでは常時2000型程度を販売。当初計画の消化率を達成しているが、商品調達の部分では想定よりも苦戦しているようで、仕入れを増やすことが当面の課題だ。そのため、マガシークの顧客に対して「ユーズドピーク」の認知拡大を目的としたチラシを購入商品に同梱したり、査定額をアップするキャンペーンなどを展開してボトルネックである商品調達の活性化を図っている。

 今後、品ぞろえが大幅に増えても一定の消化率を維持することが確認できれば、ベクトルと在庫を完全連携して同社が独自に仕入れた商品も「ユーズドピーク」で販売したり、顧客離れにつながらないと判断できれば、Cランク以下の商品を扱う可能性もあるという。また、ベクトル以外のサイトとも連携して販売できる商品を増やすことも選択肢にあるほか、昨今はCSRの観点から古着の回収に取り組むアパレル企業もあるため、取引先ブランドとの関係性を生かした古着の調達も推進したい考え。





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