トランプ娘は目利き? 世界の富豪たちのアート事情 – BIGLOBEニュース

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今回もvol.4に引き続き、アート界の富豪ランキングともいうべきARTNEWS誌の「TOP 200 Collectors(トップコレクター200人)」2016年版の顔触れについてご紹介したい。

IT界からランクインしている中で目を引くのは、マイクロソフトの共同創業者の一人ポール・アレンと、オラクルの共同創業者のラリー・エリソン。

アレンは、1997年以来トップ200リストの常連だ。ボッティチェリ、モネの「睡蓮」、ブリューゲル(子)、ロスコー、リヒテンシュタイン等のミュージアムピースを多数所有し、全米の美術館にも300点以上貸し出している。

あらゆる人にアート界一厳格といわれる守秘義務誓約書に署名させるせいか、その全貌は未だに明らかでない。自分のオフィスのスタッフでさえ、コレクションについては「ノーコメント」以上は言えないという条項に縛られているというもっぱらの噂だ。

しかし、ここ数年、その一部をシアトル美術館他でコレクション展として公開したりと、徐々に明らかになってきている。アート以外でも、ジミ・ヘンドリックス好きが高じてシアトルにフランク・ゲーリー設計のMoPOP(ポップカルチャー博物館)を建てるなど、豪快に人生を楽しんでいる。
 
一方のフォーブス富豪ランキング首位のビル・ゲイツはトップ200リストに名は連ねてないものの、ダヴィンチの手稿を約30億円で購入、さらに米国19世紀を代表する画家ウインスロー・ホーマーの傑作を約46億円で購入などのニュースが知られている。アレンほどアート界での表立った活動は耳にしない。しかし、ゲイツの父の再婚相手がシアトル美術館長だったりして、アート界と無縁ではない。
 
暴れん坊で知られるオラクルのエリソンは究極の日本好きで、日本庭園に囲まれた和風建築の邸宅を持つのは序の口、メガヨットの艦名は”さくら”、そして究極の庭園を有する京都・南禅寺界隈の何有荘を50億円とも噂される金額で購入と、その日本趣味は留まるところを知らない。

日本美術は円山応挙、伊藤若冲などの絵画をはじめ、桃山・江戸時代の美術品を数多く所蔵し、2013年にはサンフランシスコのアジア美術館で展覧会まで催している。

ファッションブランドの世界は、アートに共通する面も多いため、数多くのコレクターがいる。

ざっと見渡すだけで、ミウッチャ・プラダ、ヴィクトリアズ・シークレット等のブランドを所有するレス・ウェクスナー、シャネルのオーナーのアラン・ヴェルテメール、そして化粧品ブランドのエスティ ローダーのレナードとロナルド・ローダー兄弟と枚挙に暇がない。


レナード・ローダーがメトロポリタン美術館に寄贈予定のレジェ作「コンポジション」。
 
ローダー兄弟は、兄レナードがキュビスムの、弟ロナルドがオーストリア・ドイツ美術の世界的コレクターであるだけでなく、それぞれホイットニー美術館とニューヨーク近代美術館の後援者委員会会長に就任するなど、世界のアート界で絶大な影響力を持つ存在だ。

ファッション界の番外編でいえば、イヴァンカ・トランプはなかなかの現代アート好き。夫と気に入って買った作品をインスタグラムに載せたりするが、「頼むから俺の作品と写った写真を載せないでくれ」とアーティストに毒づかれる始末。トランプの娘の宿命か。

一方トランプ大統領は、以前ウォーホルにトランプタワーのシルクスクリーンの制作を購入する寸前までいったが、色彩が地味なことが不満で買取を拒否した。ウォーホルの日記に「彼はちょっとチープだと思う」と評されている。トランプ本人は、本人が10億円と豪語する中程度のルノアール作品を持つ程度だが、イヴァンカは近年5倍強に値上がりしたジョー・ブラッドレーの作品などをかなり早い時期に購入していたりと、なかなかの目利きだ。
 
スケールの大きなビジネスで成功し、豪快に自分の夢を実現し、それが人としての器を大きくし、次の夢の実現へと結びつく。そこには富の程度に応じた楽しみ方がある。しかし、それだけでは持たざる者の反感を買う。

そこで、将来的に美術品を社会に還元する努力をするし、社会にもそれを助けるシステムが存在する。このリストからは、そんなメガコレクターたちの姿が浮かぶ。フォーブス・リストの上位に名を連ねれば連ねるほど、目立たないことを強いられる日本との違いを感じる。このような状況では、日本の文化の担い手がいなくなると思うのは私だけだろうか。

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