北朝鮮でポスター盗んで懲役15年。「中毒で昏睡状態」は本当か – 47NEWS

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日めくり
2016年3月16日、北朝鮮・平壌の最高裁で判決後に法廷から出るオットー・ワームビアさん(共同)2016年3月16日、北朝鮮・平壌の最高裁で判決後に法廷から出るオットー・ワームビアさん(共同)

 北朝鮮に5日間の観光旅行に出かけた米国の大学生が、滞在したホテルで政治的スローガンが書かれたポスターを盗もうとしたとして昨年1月に拘束され、15年の労働教化刑(懲役刑に相当)を言い渡された。まったく国情を知らない異国での受刑生活はさぞつらかったと思うが、このたび、米朝交渉の結果、ようやく釈放され13日夜に帰国できた。ハッピーエンドと思いきや、空港に到着した大学生は意識のない昏睡状態で、両親の呼びかけにも応じることはできない。北朝鮮でいったい何があったのか。

 釈放されたのはバージニア大の学生オットー・ワームビアさん(22)で、北朝鮮当局は米側に「ボツリヌス菌による症状が出て、睡眠薬を服用した後に昏睡状態となった」と説明。同菌による食中毒を指しているとみられるが、ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、ワームビアさんが拘置中、繰り返し当局から暴行を受けたとの情報があるとの米高官の話を伝えており、米国務省当局者はCNNテレビに「(昏睡状態に至った説明は)北朝鮮側によるものであり、米国の医師がきちんと診断するまで何も確かなことは言えない」と、北朝鮮側の説明を鵜呑みにしない考えを強調した。

 中西部オハイオ州シンシナティに住むワームビアさんの両親はAP通信などに対し、帰国実現に感謝するとともに「息子は昨年3月から昏睡状態だったと説明されたが、私たちがこのことを知ったのはわずか1週間前でした。私たちと、息子が北朝鮮のならず者の体制により、どんなに残虐な扱いを受け恐怖を感じてきたか、世界に知ってほしい」と訴えた。

 ワームビアさんの罪状は国家転覆陰謀罪で、ポスターを盗もうとした様子が防犯カメラに写り犯行は間違いがないにしても、政治的とはいえポスター1枚に対しては正直、重い罪名と感じてしまう。公判はわずか1時間で終わり、厳しい刑が言い渡された。同紙によると、公判前に平壌で会見したワームビアさんは涙ながらに、ポスターを盗んだことを認め、知り合いからポスターと引き替えに1万ドル(約110万円)相当の中古車の提供を持ちかけられたことが動機と述べたが、北朝鮮側に強制された証言である可能性も指摘されている。ワームビアさんは「人生最大の過ちだった」と許しを乞うたが、北朝鮮側は考慮しなかった。

 ワームビアさんは成績優秀な大学の特待生で、「あなたのお母さんが行ってほしくないと思う国への格安旅行」との広告を出した中国の旅行会社を通じて、北朝鮮に向かったというが、確かにどんな母親も、自分の息子に行ってほしいとは思わないだろう。内外メディアは解放交渉のための米国務省高官の訪朝と、核・ミサイル開発を巡る交渉への今後の動向に焦点を当てているが、ワームビアさんとその家族が受けた苦痛と、北朝鮮体制の非人間性にも目を向けていくべきだ。 (47NEWS編集部 太田清)





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