ボランティアセンター開設相次ぐ – 産経ニュース

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 ■青学大「地の塩、世の光」を実践

 ■首都大 東京五輪リーダー育成も

 首都圏でボランティアセンターを開設する大学が相次いでいる。震災の経験や2020年東京五輪・パラリンピックのため、だけではない。最後は「石もて追われる」存在であるべきであり、それでも、「いい体験をさせてもらいました、ありがとう」と心の中でつぶやきつつ去る。それがボランティアというものだ-。取材を重ねてゆくうちに、作家、五木寛之氏が『人間の覚悟』で説いたそんな言葉が胸によみがえった。(編集委員 関厚夫)

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 「『相手のために』を考えて行ってゆくなかで、自分もたくさん学び、体験させていただくことができる貴重な時間-それがボランティア活動だと思います」

 先月15日、青山キャンパス(東京都渋谷区)で開かれた「青山学院大学ボランティアセンター開設記念シンポジウム」。パネリストの青学大OGの会社員、近藤圭さんはそう語った。

 青学大ボランティアセンターの起源は6年前の東日本大震災に遡(さかのぼ)る。その際、青学大では記念館(大学体育館)や講堂などに約9千人の帰宅困難者を受け入れる一方、大規模災害被災地緊急支援対策委員会によって「学生・教職員ボランティアを支援する組織」として青学大ボランティア・ステーションが設立された。

 以後、「ボランティア・ステーション」は東日本大震災や熊本地震での被災地支援、東南アジア諸国に対する教育支援活動などを継続して行い、昨年10月、「ボランティアセンター」に改組された。

 「地の塩、世の光」

 目立たぬ行いによって人々や社会のために貢献する人材を輩出し、“希望の光”として励ましと力、エネルギーを周囲に発していくことを学院のつとめとする-という意味の青学のスクール・モットーだ。センター長の鈴木眞理(まこと)・教育人間科学部教授によると、この精神を体現する人材を育成するのがボランティアセンターの目的である。

 「災害復興支援や国際協力のボランティアはもちろん大事です。一方でボランティア・ステーションは渋谷区内での清掃活動や障害を持つ子供たちへの支援活動も行ってきました。地域におけるこうした地道な活動もまた、それ以上に大事だと考えています。ただ、これらの活動に従事するには基礎的な技術や知識が必要になる。そのための研修を行うこともボランティアセンターに求められていると思います」

 ボランティアセンターは専任コーディネーターとボランティア・ステーションで経験を積んだ学生スタッフが中心になって運営。また青学大における全学共通の教養教育システム「青山スタンダード」で開講している「サービス・ラーニング(社会貢献活動への参加を通じた学習)講座」でもボランティア活動が果たす役割は大きい。鈴木センター長は語る。

 「ボランティア活動は何か特別なことではなく、日常に当たり前に存在する活動としてとらえるべきだと考えています。また決して効率優先ではなく非効率の世界。そのなかで自分たちの行動の意味は何かと考える-そこに大きな価値があるのではないでしょうか」

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 「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、(中略)豊かな人間性と独創性を備えた人材を育成し、人間社会の向上・発展に寄与する-。

 首都大学東京の基本理念である。ボランティア活動を学生の学びと成長につなげるとともに、この理念を実践するリーダーを育ててゆくのが昨年1月に開設された首都大ボランティアセンターの目的だ。また、コーディネーターの足立陽子さんは「2020年東京五輪・パラリンピックの際に活躍できるボランティアリーダーを育成するということも東京都から期待されていることの一つです」と話す。

 センター長の永井撤(とおる)・都市教養学部教授によると、首都大では、ボランティアセンターが設立されるまでは、研究室や学生団体・組織などが個別にボランティア活動に携わってきた。「それらを全体としてコーディネートするのもセンターの重要な役割だと考えています。開設から1年ですが、すでにいろいろな花が開いてきた。そんな実感があります」

 首都大ボランティアセンターの「独創性」の一例は「スポーツボランティアプログラム」や「地域ボランティアプログラム」を主催していることだ。前者は東京マラソンをはじめとする一般スポーツや障害者スポーツ、地域交流スポーツなどの各種のスポーツイベントが実践的な活動の舞台。後者は南大沢キャンパス(東京都八王子市)内にある松木日向緑地での里山保全や小中学校と連携した環境学習などを行っている。

 またセンターでは、折々の情報提供や学内団体のサポートと並行し、「スポーツ」や「地域」の分野を中心に3年をかけて社会のボランティアリーダーを育成する独自のプログラムを推進している。その内容は1年目は「参加」、次に「参画(サポーター)」、最後に「創造(リーダー)」と順にステップを踏み、年次ごとに修了証も授与されるというものだ。

 永井センター長は話す。

 「過去に比べると、いまの学生諸君は学問にしても部活動にしても現代社会と同じく成果主義-結果に追われているところが多分にあります。これに対してボランティアは結果ではありません。無償を前提とした活動に一人一人が感動したり、苦しんだりする。社会との関わりにおいて自らが体験し、人間性を高め、豊かにする。そこに一番の価値があるのではないでしょうか。そういう場を大学が提供することに大きな意義があると考えています」

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