(89)元和年間石見国絵図(浜田) – 山陰中央新報

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江戸時代初期の石見国を詳細に描いた元和年間石見国絵図

江戸初期の活況 詳細に

 江戸時代初期の石見国を詳細に図示した縦173センチ、横350センチの大型絵図「元和年間石見国絵図(げんなねんかんいわみくにえず)」。地形描写は絵画的だが、津和野城下町(津和野町)や最盛期を迎えていた石見銀山(大田市)は写実的な手法を取り入れるなど丁寧に描き、要所の活況を伝えている。作製後に整った浜田城下町(浜田市)は、別に描いた張り紙を重ねるなど工夫の跡も見られる。

 国絵図は、江戸幕府が国土の把握に向け、国ごとに作製を命じた地図。浜田市教育委員会文化振興課によると、元和期に手掛けられた国絵図で現存しているのは国内で唯一という。津和野藩への亀井氏の転封による領地移動を反映させるため、1617(元和3)〜19(同5)年の間に亀井氏が作製したとみられ、幕府の4度にわたる国絵図事業とは別に行われた。

 407カ村を図示して村名や村高を記載し、津和野藩領は黄土色、幕府直轄の銀山料は白抜きと色分けしている。山や川、海が極彩色で描かれていることから、下書きではなく、控図(ひかえず)と考えられている。

 かつて浜田城再建を目指した市民団体が、寄せられた浄財を活用して古物商から購入し、1988年に市に寄贈。2000年に県指定文化財となった。広い展示スペースが必要なため、一般公開の機会は少なく、所蔵する市教委が同市黒川町の浜田郷土資料館で保管し、縦51センチ、横103センチの写真パネルを常設展示している。

 同課の川本裕司・文化財係長は「当時の石見国の隅々までを視覚的に知ることができる貴重な史料」と強調する。





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