平均買取価格も毎月開示、中古携帯電話の普及を図る団体「リユースモバイル・ジャパン」設立 – ケータイ Watch

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 中古スマートフォン・携帯電話などを取り扱う8社が発起人となり、普及と健全化を図る任意団体「リユースモバイル・ジャパン」(RMJ)が3月14日に設立された。

 RMJの発起人となったのは、携帯市場、ゲオ、TSUTAYA、ブックオフコーポレーション、エコケー、日本テレホン、ネオリア、パシフィックネット。代表理事企業は携帯市場。詳細な数字はまとめられていないが、RMJに参加した8社で、中古市場全体の5~6割程度の取扱シェアになると推定されている。

 RMJでは、中古端末はユーザーから安価な通信手段として注目される一方、業界としての課題も顕在化しているとする。

 同団体を通じて、行政との継続的な意見交換を行っていくほか、買取市場の公正性・透明性を伝える目的で、スマートフォンの買取価格のデータを集計した「平均買取価格」を、4月から毎月開示していく。

 同団体では、キャリアの一部端末の下取価格が、同団体の平均買取価格より不自然に高く「非常に疑問を感じている」とも指摘しており、総務省や公正取引委員会と意見交換も行っていく方針。

 RMJは中古市場・中古端末の普及と健全化、消費者保護をうたっており、認知度向上、通信事業者を含む関連企業・団体や関係省庁との連携、政策提言などを行っていく。

行政への情報発信、中古端末の利用率の増加と“健全化”

 代表理事企業を務める携帯市場 代表取締役の粟津浜一氏から、RMJの設立経緯や今後の方針が解説された。粟津氏は、中古市場が拡大傾向にあるという調査結果や、総務省の施策を含めて“格安SIM”の選択肢のひとつとして中古の端末が注目されているという現状を紹介する。

携帯市場 代表取締役の粟津浜一氏。RMJ代表理事企業として団体設立の経緯や理念、目的を解説した

 また、大手キャリアのラインナップでは少なくなっているフィーチャーフォンについても、操作方法がこれまでと同じものや、気に入った形の端末を(買い替えても)使いたいと求めるユーザーに、中古端末の販売店は「文字通り駆け込み寺になっている」(粟津氏)という。実際に、携帯市場の例では、中古端末の販売の約4割がフィーチャーフォンだという。

 そうした政策などを含め業界の追い風もある中で、課題を認識し、各社それぞれの取り組みでは限界があると感じたのが、今回の団体設立のきかっけになっているという。

 その課題とはまず、行政への発信が不足していること。通信事業者と、中古端末の販売事業者との接点が無く、行政やキャリアなどが中古市場について意見を求めようとしても、受け皿になる団体が無かったという。

 もうひとつはモバイル市場で中古端末の利用率が上がらないこと。粟津氏は、リサイクルやリユースの概念が携帯電話・スマートフォンに浸透していないことや、個人情報の処分や取り扱いに不安や疑問を感じている人が多いこと、一部の不適切な事業者により不良品や“赤ロム”(割賦払い未履行の端末)の販売などが行われるなど、中古端末市場そのものに対して心象が悪いこと、そして一部のキャリアやメーカー(Apple)により、国内の中古端末市場の成長が阻害されていることなどが挙げられた。

 粟津氏は、こうした課題がみえていることから、中古端末市場はまだ1社で利益を追求する段階ではなく、市場そのものを大きくすることが重要とする。団体の理念と目的に賛同した各社が「大同団結して」設立されたRMJでは、営利活動につながる取り組みよりも、広報や認知度向上、各社との連携、健全化、政策提言などを行っていく。

キャリアの下取価格「非常に疑問を感じている」

 RMJの具体的な活動として公表されているのが、代表的なスマートフォンについて、団体に参加した各社の平均買取価格を毎月開示していくというもの。粟津氏はプレゼンテーションの中で、下取価格について時間を割いて解説する。

 iPhoneシリーズを例に、大手キャリアが下取りとして提示している価格と、団体(RMJ)平均の下取価格をグラフで示し、大手キャリアは団体平均の倍近い価格で買い取っている現状を指摘する。特に販売からしばらく経過しているiPhone 5sはそのギャップが大きく、下取価格は団体平均が6300円、大手キャリアは1万5000円以上と、大きく差が付いている。

下取価格の比較。各機種で緑のグラフがRMJ団体平均の価格で、大手キャリアは業界平均の倍近い価格で買い取っていると指摘する

 粟津氏は「私達は非常に疑問に感じている」とした上で、総務省や公正取引委員会と意見交換を順次行っていく方針を示している。

 粟津氏は、RMJとしてキャリアとの協議は今後進めていくとしており、具体的にどういうところに落ち着くのかは不透明だが、毎月の平均買取価格の開示には、こうしたキャリアの施策と、一般の中古市場とのギャップを明らかにする、つまりキャリアや一部メーカーの施策の不公正さを訴えるという目的もあるようだ。

キャリアの下取施策の歪み

 キャリアの下取価格をめぐっては、「0円禁止」といった販売価格の適正化に関連して、総務省もタスクフォースなどで触れて、健全化の方向に道筋を付け始めている。

 キャリアの下取施策の根本的な問題は、買い取った端末を海外に流すなどし、国内の中古端末市場の拡大に全く貢献していない点。中古端末の業界から見れば、流通量の阻害であり、日本国内のユーザーから見れば、中古という、安く手に入るもうひとつの選択肢が奪われていると指摘することもできる。

 ユーザー視点では、買い替え時の高額な下取りにより端末購入の負担が減るのは、ありがたいところ。しかし、データの上書き消去やクリーニングといった体制が整えられた現在、品質を確保した安価な中古端末は、もっと多くのユーザーに認知・検討されていい選択肢といえる。仮にキャリアが今までに下取りした端末を全て国内の中古市場に流通させていれば、今よりも確実に多くのユーザーが、「中古でもよい」として安価に端末を入手できていただろう。

 また、キャリアが提示する高額な買取価格により、既存の中古買取事業者を不当に圧迫しているとの指摘もあり、これを「不公正」とするかどうかは、関連省庁や公正取引委員会などの判断も仰ぐことになる。

 上記のことからも、RMJが掲げた健全化というテーマには、中古端末を取り扱う事業者自身の健全性への取り組みのほか、キャリア・一部メーカーを含むモバイル業界全体の中古流通を適正にする、その提言を行っていくというテーマも含まれているといえる。

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