マレーシアのリサイクル企業に世界中からインターンが殺到する理由 … – ダイヤモンド・オンライン

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リサイクルを超える

「アップサイクル」

 筆者は本来、行動科学や神経科学に基づいた基礎的な実験研究をメインの仕事としている。しかしマレーシアに来てからは、ビジネススクールに所属したこともあり、現地のビジネスに関するフィールドワークやインタビューも行っている。

廃棄処分となる車のシートベルトを使って作られたバッグ。丈夫でオシャレ、単なるリサイクルを超えた付加価値を持った製品だ

 いくつもの現地企業、あるいは現地で頑張っている日本企業の人々に話を聞く機会を得たが、特に印象に残った地元のベンチャー企業がある。Biji-biji Initiative(以下、Biji-biji)という会社だ。彼らの仕事は「アップサイクリング製品の創造と開発」である。

 リサイクリングはリ・サイクルという言葉通り、一度使ったものを再生産する技術だ。それに対し、彼らの言うアップ・サイクルは、一度使ったものにさらに付加価値をつけて、より良いものを作ろうとする試みである。

 具体的には、ゴミになったり環境を破壊するような廃材や廃棄品を、彼らの知恵と創造性で、付加価値のあるプロダクツへと変換する。環境問題や社会問題の解決に貢献しようとする、いわゆる「社会的起業」だ。

 大げさに言えば、地球の環境問題を引き起こすようなゴミ問題や過剰生産問題を、ビジネスチャンスとして、そういったものから人々の役に立つ生産品をつくるための創造力を発揮しようとするベンチャー企業である。

 彼らのプロダクツのうち、最もヒットしているのが、シートベルトを使ったバッグだ(写真上)。車のシートベルトは、丈夫で、撥水性が高い生地でできている。工場では数十メートル単位のロールを作成するが、そこで一部にほつれがあったり、色味がわずかに違っていると、そのロールすべてが、廃棄処分となってしまうそうだ。彼らはそれを「もったいない」と思い、より付加価値を付けた製品に「アップサイクル」できないかと考えた。

 写真のバッグは、試行錯誤の末に出来上がった製品だ。デザインはヨーロッパでアートを専攻した女性が行い、縫製は経験豊かなインド人の男性がやっている。筆者も実際に購入したが、丈夫で汚れにくく、デザインも洒落ていて、手放せなくなった。贈り物としても、知り合いの日本人に送ると、必ず喜んでくれる。

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