Mac国内シェアが上昇基調。ビックカメラ「Macアップグレードプログラム」も好調な出足 – PC Watch

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Touch Barを搭載した13型MacBook Pro

 Macの販売シェアが徐々に上昇している。Touch Barを搭載した新型「MacBook Pro」が発売された2016年11月以降、ノートPC分野におけるシェアが上昇。11月には、PC市場全体の1割をアップルが占めた。その後、シェアは減少したが、前年実績を上回る動きをみせている。

 こうした中、ビックカメラでは、同社初となるメーカー名を冠した「AS(アップルソリューション)事業部」を、2016年3月に設置して以降、アップル製品および関連製品の販売に弾みがついていると語る。2月17日から開始した新たな決済サービスとなる「Macアップグレードプログラム」も、わずか1週間で同月の販売目標をクリアしたという出足の良さを見せているという。Macを取り巻く動きを追ってみた。

2016年11月にはアップルが10%のシェアに

 全国の量販店のPOSデータを日次で集計しているBCNの調べによると、Touch Barを搭載した新型MacBook Proが発売となった2016年11月、アップルのシェアは10%と市場全体の1割を占めた。

 同調査において、アップルが10%を超えることは、これまでにはあまりなかったが、10月末に実施された大幅な値下げによってiMacなどの販売が好調であったこと、Touch Bar搭載の新型MacBook Proが発売になり、品切れを招く人気ぶりとなったこともあり、デスクトップPC分野では12.2%に達したほか、ノートPC分野でも9.6%と、10%に迫るところにまで上昇した。

 2016年12月には9.1%、2017年1月は7.3%と減少したが、前年同月を上回るシェアとなっており、アップルの販売が着実に増加していることがわかる。

 実際、この5年間でアップルのシェアは拡大傾向にある。

 BCNによると、2012年上期(2012年1月~6月)のアップルのシェアは5.2%。2012年下期(2016年7~12月)は6.0%だったものが、2016年下期(2016年7~12月)は8.4%となっている。とくに、ノートPCは、2012年上期には4.5%だったものが、2016年下期には8.0%と、1.8倍ほどシェアを拡大している。

 iPhoneの販売増加に伴い、Macを購入するユーザーが増加したことや、都市部での販売増などがシェア拡大の要因とみられている。

今後はTouch Bar搭載モデルの販売が増えるか?

 一方、Touch Bar搭載モデルも順調な売れ行きを見せているようだ。

 2016年11月の発売直後から品薄が続いていた新型MacBook ProのTouch Bar搭載モデルは、ここにきて供給体制も安定しており、すぐに購入できる状態になっている。

 BCNによると、2017年1月の集計では、MacBook Proのうち、Touch Bar搭載モデルの構成比は43.2%。非搭載モデルは56.8%と今のところ、Touch Bar搭載モデルの構成比は過半数には至っていない。

 だが、2017年2月に、MicrosoftのOffice for MacがTouch Barに正式対応したことや、同じく2月に、AdobeのPhotoshopの最新バージョンでTouch Barに対応したことなどが発表され、今後のTouch Bar搭載モデルの販売に弾みがつく可能性が高い。むしろ、これからがTouch Bar搭載モデルの動きが本格化することになりそうだ。

こちらはファンクションキーを搭載した13型MacBook Pro

Apple Shopが10周年を迎える

 こうした中、Macの販売に力を入れているのがビックカメラである。現在、25店舗で、ショップインショップの「Apple Shop」を展開。2016年9月にオープンした広島店や立川店にもApple Shopを開設した。さらに、アップル製品の正規修理サービス拠点も、系列のソフマップやコジマを含めて、全国26店舗で展開している。

 2016年3月には、アップル製品および周辺機器、ソリューションなどを専門に手掛けるAS事業部を発足。これは、アップルソリューションの頭文字であり、同社としては、事業部の名称に初めて、メーカー名を掲げたものとなる。それだけ、同社がアップル製品に力を注いでいることを示したものだと言える。

ビックカメラ AS事業部の小林広紀事業部長

 ビックカメラ AS事業部の小林広紀事業部長は、「ビックカメラ有楽町店に、日本で最初のApple Shopを、2007年3月21日にオープンしてから、来月で10周年を迎える。また、正規修理サービス拠点も、2012年秋にスタートしてから今年は5年を経過することになる。正規修理サービス拠点を直接運営しているのは、量販店ではビックカメラだけであり、アップル製品であればビックカメラというイメージが定着してきた」と語る。

 現在、AS事業部では、Apple Shopおよび正規修理サービス拠点の運営のほかに、iPadやiPhoneを利用したPOSシステム「Airレジ」の販売などを担当。社員だけで150人体制、店舗などでのアルバイトを含めると300人規模の体制となる。さらに、仕入れについては、従来通り商品部が担当しており、ここでのアップル担当を含めるとさらに人員規模は拡大する。

ビックカメラ AS事業部セールスエリアマネージャーの福田亮一氏

 「前年度には旺盛なインバウンド需要があり、それに伴って、アップル製品の売れ行きも好調だった。その反動があり、今年度は絶対数として販売数量は減少しているが、足元では販売が上向いてきている。Windows搭載PCに比べても販売回復への戻り方が速い」と、ビックカメラ AS事業部セールスエリアマネージャーの福田亮一氏は語る。

地方都市でのMac販売に弾み

 そのビックカメラが新たにスタートしたのが、「Macアップグレードプログラム」である。

 Macアップグレードプログラムは、Macを購入する際、2年後の推定買取額として、本体価格の約35%をあらかじめ差し引き、その金額で、24回の分割払いを設定できるもの。分割払いが終了する2年後には、ビックカメラおよびソフマップの下取りサービスを利用して、最新のMacにアップグレードするか、据置金額を支払って、そのまま使い続けるかのどちらかを選択できる。ちなみに、下取りの際には、提示した買い取り価格の10%増で買い取るほか、据え置き金額の支払いは、一括払いか、分割払いを選択できる。

ビックカメラ店内でも積極的に告知しているMacアップグレードプログラム

 Macアップグレードプログラムは、自動車販売では一般化してきた「残価設定型プラン」を応用したもので、量販店において、PCを対象に導入するのは初めての取り組みだといえる。

 ビックカメラの小林事業部長は、「2年後に買い取り価格が設定できるのはMacだけであり、実際に、Macの中古買い取り価格は、Windows搭載PCに比べて、高い水準となっている。ほかのPCではできないサービスだ」とする。また、「ビックカメラでは、Macの販売、修理のほか、ソフマップによる中古買い取りサービスもあり、PCのライフサイクル全体をカバーできる。これを揃えているのはビックカメラだけであり、だからこそ、このサービスを開始できた」と語る。

 同社によると、2月17日に、Macアップグレードプログラムを開始して以来、わずか1週間で2月の販売計画を上回る出足の良さをみせているという。

 「ニュースやSNSを通じて広がったこともあり、店頭では、こちらからお勧めする前に、Macアップグレードプログラムについての質問が出ている。これまでには見られなかった反応の良さがある」と、ビックカメラの小林事業部長は語る。

 さらに、予想外だったのは、首都圏の店舗以外での問い合わせが想定以上に多いということだ。

 「Macの販売は首都圏に集中することが多かったが、全国でまんべんなく、このプログラムを利用した販売が始まっている。地方都市におけるMacの販売に弾みをつけることができる施策にもなる。これまでMacを使ったことがないユーザーへのアプローチができ、さらに、最新機種への買い替えも促進できる」(ビックカメラの福田セールスエリアマネージャー)。

 さらに、Macアップグレードプログラムでは、「Apple Care Protection」および「安心サポート for Mac」がセットとなっており、ユーザーにとっても安心して利用できる環境を提供できるほか、ビックカメラにとっても単価上昇といったメリットを生むことになる。

 「これからは学生がPCを購入する時期に入ってくる。Macは、大学生にも人気の製品であり、Macアップグレードプログラムを学生がMacを購入しやすいプランとして提案できる。さらに、30~40代の主要顧客層にも買い替えの提案の1つとして訴求していきたい」などと述べる。

 現時点では、Macアップグレードプログラムは、MacBook ProのTouch Bar搭載モデルでの利用が、全体の3割以上を占めており、同製品の販売増加にも貢献していると言えそうだ。

 「スマホの普及などの影響で、PCの購入者が減少傾向にあるが、こうした新たな取り組みによって、Macの販売を増やし、ひいてはPCの購入者の拡大につなげたい」(ビックカメラ・小林事業部長)とする。

ビックカメラが開始したMacアップグレードプログラムの概要

法人向けソリューションの展示にも取り組む

Airレジの展示コーナーもスペースを大きくとっている

 もう1つ、ビックカメラのAS事業部が取り組んでいるのが、Airレジだ。

 iPadやiPhoneなどを利用したPOSレジで、AS事業部の取り扱い製品として、ビックカメラ全店で展示販売を行なっている。

 Airレジは、飲食店や小売店の店舗での注文入力や会計、レシート出力、キャッシュドロア連携、領収書発行、バーコード読み取り、売上分析、顧客管理、商品管理、在庫管理、クレジットカード決済などに利用できる店舗向けPOSソリューション。ソフトウェアの基本機能の使用は無料で、ビックカメラにとっては、iPadやiPhone、あるいはキャッシュドロアやレシートプリンタなどのハードウェアの販売、あるいは連携する会計ソフトなどの販売がビジネスに直結する。

 ビックカメラ有楽町店では、Apple Shopの隣に、Airレジの展示コーナーを設置して、関連製品の販売に力を注いでいる。法人向けコーナー以外に、こうした法人向けソリューションを展示するのは珍しい。

 飲食店や小売店などの店舗への導入を検討する小規模事業者の購入が増えており、アップル製品を活用した新たなソリューションの1つとして今後、力を注いでいく考えだとという。

販売パートナーとの連携でシェア拡大に弾み

 ビックカメラでは、今後もアップル製品の販売に力を注いでいく考えを示す。

 ビックカメラの小林事業部長は、「現時点では、次のApple Shopの出店に関する具体的な計画はない」としながらも、「ビックカメラの新店舗の出店計画もあり、Apple Shopの数は今後も増えていくことになるだろう。また、アップル製品の正規修理サービス拠点も、ソフマップやコジマなどを含めて、さらに拡大したいと考えている。同時に、質の向上にも取り組みたい」と語る。また、「今回のMacアップグレードプログラムのように、ビックカメラでしかできないサービスやビックカメラの特徴を生かしたサービスを創出して、ユーザーに提供することにも力を注ぎたい」と語る。

 アップルでも、販売店との連携を強化する姿勢をみせており、こうした取り組みを通じて、Macのシェア拡大に乗り出す考えだ。

 アップルにとっては、既にデスクトップPC市場で1割以上のシェアを持つiMacの販売増に加えて、ノートPCでのシェア拡大や地方都市でのシェア拡大が課題だ。その点でも販売パートナーとの連携強化は欠かせないと言える。

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