JALの最高位整備士が、定年間際に語った「人の育て方」 – 日経トレンディネット

Home » リペア » JALの最高位整備士が、定年間際に語った「人の育て方」 – 日経トレンディネット
リペア コメントはまだありません

 窓の外から時折、飛行機の飛び立つ轟音が響きわたる、成田空港の整備地区。その一角に、日本航空(JAL)の整備子会社、JALエンジニアリングのエンジンメンテナンスセンターがある。2017年1月31日、ある1人のエンジニアがそこで定年を迎えた。

 エンジン整備センター 部品整備部 部品整備課の杉本好夫氏。1975年にJALへ入社して以来、整備一筋で40年以上勤め上げてきた。

 実は杉本氏の定年は、JALグループにとって大きな節目。杉本氏はJALグループに約3000人いる整備士のなかで、最高ランクに認定されたただ一人の整備士なのだ。

JALエンジニアリング エンジン整備センター 部品整備部 部品整備課の杉本好夫氏

[画像のクリックで拡大表示]

 JALグループは2010年に「整備マイスター制度」を導入した。単に整備士の専門性やスキルの高さを認定する制度ではなく、誰からも尊敬を集め、後輩整備士が目指すべき目標となりうる人間性も含めて評価・認定されるものだ。

 認定は3段階に分かれており、一番下の「エキスパート」は約500人、2番目の「マイスター」は約30人。そこからさらに、周囲の評価や面接を経て選ばれる最高位の「トップマイスター」は杉本氏ただ一人。その杉本氏が定年を迎えたことで、トップマイスター整備士は当面不在となる。

 「上に立つ人は『部下をこう育てたい』という明確な育成像を持つべきだと思うんです」。定年を間近に控えたある日、杉本氏はそう言って、人材の育て方についての思いを記者に明かしてくれた。

「じゃあ、それでやってみな」

 1975年4月、JALに入社した杉本氏が配属されたのは、羽田空港の旧整備地区にあったエンジン整備専門の工場。エンジン部品の「ハンドリペア(手仕上げ)」の担当になった。

 ハンドリペアとは、部品をメッキ加工した後に残る出っ張り(バリ)を面取りする、径が規定より開いてしまったネジ穴にスペーサーを入れる、固着して外れなくなったネジやボルトを外す、といった修理作業がメインだ。

コメントを残す