「背面液晶」で見極める 中古カメラの良品選び – 日本経済新聞

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大型の中古カメラ店の場合、1つの機種で複数の中古品が陳列されていることは珍しくない。気になる商品を絞り込めたら、店員に声をかけて商品をショーケースから出して見せてもらおう

 昨今のデジカメは画質や性能を高めたものが多く、新品はなかなか手が出せない価格になっている。そこで注目したいのが、中古のカメラやレンズだ。新品と比べて安く手に入ることから、「自分はもっぱら中古カメラを選ぶ」という根強いファンも多い。今回は、実際に中古カメラや中古レンズを選ぶ際のポイントや注意点を見ていきたい。

中古のカメラやレンズがショーケース内にズラリと並ぶ中古カメラ店。中古品を選ぶ際のポイントをマップカメラの担当者に取材した

■カメラの「スレ」や「アタリ」をチェックする

マップカメラの吉岡英亮氏

 購入しようと思うカメラがある程度絞り込めたら、店員に声をかけて実機を確認させてもらおう。品物が届くまで実機を確認できないインターネットオークションやフリマアプリとは異なり、目を付けたカメラやレンズを実際に手にして、購入前に状態を確認できるのが中古ショップのメリットだ。それを生かさない手はない。

 「まずは、カメラの外観をチェックしてください。擦り傷や、何かにぶつけたはずみで凹んだ部分がないかを確認しましょう」と話すのは、マップカメラの吉岡英亮氏。中古カメラの世界では、擦り傷を「スレ」、ヘコミを「アタリ」と呼ぶ。中古品のプライスタグにも「スレあり」「小さいアタリあり」などの記述がされているので、覚えておこう。

■マップカメラ・吉岡英亮氏が伝授する中古カメラのチェックポイント
1.実機を手にして、カメラに目立つスレやアタリがないかをくまなく調べる
2.背面液晶がきれいな中古品はていねいに扱われた可能性が高く、狙い目
3.ダイヤルやボタン、レンズを操作しながら撮影し、違和感がないかをチェック
4.付属品の有無をチェック。バッテリーや充電器がない場合は相応の出費を覚悟
5.前のオーナーが使っていたアクセサリーがそのまま付いている中古品はお買い得

 外装に付いた擦り傷は、見た目が気になるかもしれないが、機能的に大きな問題となることはほとんどないそう。ただし、スレで気をつけたいのが、背面の液晶モニターや上部の液晶パネルに付いたスレだ。晴れた屋外などでは表示が見づらくなることもあるので、窓越しの光や照明などを利用して見え具合に支障がないかをよく確認したい。

ボディーの外装を見て、スレやアタリの有無をチェックする。デジタル一眼の場合、レンズやレンズキャップを外してマウント面や撮像素子も確認する。マウントにスレやキズが多いと、頻繁にレンズ交換をして酷使されたカメラだと考えられる

背面は、液晶パネルのスレやキズがないかを確認しよう。電子ビューファインダーを内蔵する機種の場合、接眼部に装着するアイカップが紛失していないかもチェックしたい

 中古品選びのポイントの1つとして覚えておきたいのが、「背面液晶がきれいなものを選ぶこと」。液晶にキズやスレがなくきれいなカメラは、前のユーザーが別売の保護フィルムを貼って使っていた可能性が高い。つまり、お金をかけてまでカメラを大事に扱っていたと考えられる。液晶がきれいなものは、カメラ全体のコンディションが良好なことが多いといえるのだ。

 アタリは、スレと同様に前ユーザーの扱い方が現れるので、なるべくアタリがないものが望ましい。目立つほどのアタリがある中古カメラが店頭に並ぶことは少ないと思われるが、大きなアタリがあるものは避けるのが賢明といえる。取材時にマップカメラのショーケースに並ぶカメラをひととおりチェックしたところ、小さなスレがあるものは並んでいたものの、ひどいアタリのあるものは見受けられなかった。店頭に並ぶ前にさまざまなチェックを実施しており、アタリの大きいものはジャンク品や難あり品として取り扱うため、通常の中古品として出すことはないとのことだ。

 レンズの購入時も、同様に実物を手にチェックしたい。特に、レンズは光に透かしてキズやホコリ、カビ、クモリの有無をじっくりと確認しよう。カビやクモリがあるレンズは避けたほうが無難だが、キズは小さく薄ければ描写に大きく影響することはない。レンズ内にホコリが侵入していても、大きいものでなければ大丈夫だ。店員の判断を仰ぎながら選んでいこう。

交換レンズは、レンズ内のホコリやクモリがないかを正面から確認するだけでなく、レンズを外してマウント側からものぞいてみよう

■デジタル一眼本体やレンズを購入する際は、必ず実写してみる

 外観を確認したら、続いてカメラを操作してみよう。「シャッターボタンを半押しした際に素早くピントが合うか、シャッターは異音がなく切れるか、撮影モードダイヤルやコマンドダイヤルなどが心地よく回転するかなど、実際に撮影しながら確認してみてください」と吉岡氏は話す。カメラをしっかりと構えてみて、自分の手になじむかどうかもついでに確認しておきたい。レンズは、ズームリングだけでなくフォーカスリングも回転させ、引っかかりがなくなめらかに動くかどうかも確認しておこう。もし違和感を感じたり分からない点があれば、ショップの店員に相談しよう。

カメラは、電源を入れて実際に撮影するのも忘れずに。単にシャッターを切るだけでなく、ダイヤルやボタンの操作に違和感がないかもチェックしたい

 人によっては、これまでそのカメラが撮影した枚数、いわゆるショット数を気にすることもあるだろう。一般に、デジタル一眼の入門機や中級機は耐久ショット数が10万回前後といわれている。たとえ外観がキレイでも、ショット数が多いものは購入後にシャッター機構のオーバーホールが必要となり、出費がかさむ可能性がある。ショット数をプライスタグに記載していなくてもショップ側で把握しているところもあるので、確認したい場合は遠慮なく尋ねるようにしたい。マップカメラでは「耐久ショット数の上限を超えていないか販売前に確認しており、上限を超えているものはプライスタグの備考に明記のうえ、ジャンク品もしくは難あり品として販売します」とのことだ。

 デジタル一眼の中古品を購入する場合は、必ずレンズを装着したうえで試し撮りしたい。レンズとセットで購入する場合はそのレンズを装着し、ボディーのみを購入する場合は手持ちのレンズを持参して装着するか、お店にあるレンズを借りて試してみたい。中古のレンズを購入する場合も、自分のカメラを持ってきて試すか、お店にあるカメラを借りて試させてもらおう。ショップもいやな顔をせずに対応してくれるはずだ。万が一、お店の機材を貸してくれないなどの対応をされたならば、購入後のサポートも期待できないので、そのショップでの購入をやめるべきである。

 マップカメラの場合、購入を検討しているカメラで撮影した画像を、店内にある専用のパソコンを使って細かくチェックできる体制を整えている。テスト撮影用のメモリーカードも用意しており(自分のメモリーカードに記録することも可能)、A4サイズの写真用紙に無料でプリントするサービスも用意する(1枚まで無料)。中古品の品質に対する不安を解消したうえで安心して購入できる優れたサービスといえ、吉岡氏も「積極的に活用してほしい」と語る。

マップカメラの場合、中古品にメモリーカードを入れて実写した画像をパソコンで参照できる。高価なカメラやレンズの購入を検討している人にとってはありがたいサービスだ

■付属品の有無も要チェック、バッテリーや充電器は意外と高い

 付属品も忘れずにチェックしておきたい。「カメラ本体の場合、取扱説明書、バッテリー、充電器、ケーブル類、ストラップなどが付属します。特に大事なのは、取扱説明書とバッテリー、充電器といえます。付属しているかどうかを確認し、もしない場合は購入するのを忘れないようにしてください」とのことだ。取扱説明書はメーカーのWebサイトからダウンロードできるので、それを活用するのもよい。

カメラやレンズ本体だけでなく、付属品がそろっているかも確認する。ストラップやケーブルなど汎用品が使えるものがないならばまだしも、単品で買うと高価なバッテリーや専用充電器がないとのちのち出費がかさんでしまう

ストラップは使用感が出やすいので、もし付属していたとしても新品を購入するのがお薦め。色や素材、デザインに凝ったストラップが多数用意されている

 バッテリーや充電器は、機種によっては1万円を超えるものもあるので、付属する中古品との価格差を見ながら比較検討したい。ストラップは、前のユーザーの汗や手あかで汚れている場合が多いので、付いていたとしてもあえて新品を購入するのもありだ。メーカー純正品以外にもさまざまなストラップが販売されているので、好みに合うものを選びたい。

 前のオーナーが使っていた予備バッテリーやグリップなど、別売のアクセサリーをそのまま付けて販売している中古品は注目の存在といえる。アクセサリー分の価格上乗せがわずかしかないケースが多く、それらのアクセサリーを改めて新品で購入するよりも断然割安である場合がほとんど。レンズでも、保護フィルターやレンズフードが付いてくる中古品がある。そのようなおいしい買い物ができるのも、新品にはない中古カメラの魅力といえる。

■今回取材に訪れた中古カメラ店「マップカメラ」
 マップカメラは新宿駅西口の“カメラ激戦区”に店舗を構えるショップ。国内外の中古および新品のカメラやレンズを多数取りそろえており、同店のWebサイトではインターネットでの販売に力を入れている。中古商品の保証期間も最長12カ月とするなど、保証体制も充実している。

大浦タケシ(おおうらたけし)
プロカメラマン。宮崎県都城市生まれ。カメラ関連の媒体を中心に活動中。写真は撮るのも見るのも大好き。カメラは戦前のフィルムカメラから最新デジタルカメラまで興味は尽きない。「デジカメWatch」では毎回中古カメラ市を取材しているが、支払われるギャラよりも高いカメラやレンズをその都度買ってしまうのが悩みである

[日経トレンディネット 2016年12月5日付の記事を再構成]

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