レンゴーの段ボール薄肉化 「リデュースの優等生」へ進化 – nikkei BPnet

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吉岡 陽(日経エコロジー)

段ボール最大手のレンゴーは、全社を挙げて省資源化に取り組む。「リサイクルの優等生」から「リデュースの優等生」へと進化を目指す。

 段ボールは生活の隅々に浸透し、国内で年間約135億m2が生産されている。レンゴーはグループ全体でその約3割を生産する最大手だ。

 分別回収が広く根付いている段ボールは、リサイクルの優等生と言われる。段ボールの古紙利用率は、業界平均で約93%。レンゴーはさらに工程を工夫して古紙に含まれる異物の除去を進め、古紙利用率約98%を達成している。

 高度な水平リサイクルを実現する一方で、近年はさらに、段ボールを薄肉・軽量化する省資源化にも取り組んでいる。「リサイクル率の高さに満足するのではなく、業界大手として、もう一歩踏み込んだ環境対策で社会的責任を果たしたい」(若松操常務)という思いが背景にある。

 薄肉化で使用する原料を減らせれば、コストメリットがある。日本の段ボール古紙は品質が高いため、中国などからの引き合いが強まっている。省資源化を進めることで、原料調達のリスクも下げられる。

顧客の倉庫で大実験

 業界に先駆けて「Cフルート」と呼ばれる薄型の段ボールの普及に取り組んできた。段ボールには波型の段(フルート)の厚みによって、複数の規格がある(下の写真)。日本では戦後、厚さ5mmの「Aフルート」用の段ボール製造装置が普及したため、Aフルートが主流になった。これに対し、欧米をはじめ世界では厚さ4mmのCフルートが標準になっている。

 2000年代に入り、どちらにも対応できる製造装置が開発されたため、レンゴーは2005年に設備を導入し、Cフルートへの転換に踏み切った。

 両者は強度にほとんど差がない。一方、使用する原料はCフルートのほうが2~3%少なくて済む。厚みも約20%少ないため、1台のトラックで多くの箱を運べるようになり、サプライチェーン全体で輸送時のCO2削減につながる。

 レンゴーの試算によれば、2004年時点の国内のAフルートの段ボールが、全てCフルートに置き換わった場合、年間でCO2排出量を約13万t削減できるという。

■ Cフルートに転換した場合の効果

Cフルートの段ボール(写真手前)は、Aフルート(奥)に比べて、保管スペースも少なくて済む

 ただ、Cフルートを普及させるのは、そう簡単ではなかった。一部の顧客は「省資源化につながる」と歓迎してくれたものの、大方は「強度が落ちて箱が破損するのでは」と慎重だった。

 そこで同社は強度試験を実施して、強度にほとんど差がないことを示すデータを用意した。「それでも納得いただけない時は、お客様の倉庫で実際に荷物を入れた段ボールを積み上げて、その目で確かめてもらった」とデルタフルート推進室の安川義浩室長は話す。

 こうした地道な営業活動が実り、2012年1月にCフルートの出荷量がAフルートを上回った。レンゴーがCフルート普及の端緒を開いたことで、その後複数の段ボールメーカーがCフルートに参入した。業界全体で薄肉化が進んでいる。

 さらに省資源化を進めるため、独自規格の「デルタフルート」を開発し、2013年4月に発売した。商品を包む内装箱に使われるEフルートと、内装箱をまとめて運ぶための外装箱に使われるBフルートの中間の厚さで、両方の長所を併せ持つ。軽くて取り扱いやすく、輸送の際の衝撃にも耐えるため、外装箱を使わずに最終消費者の元まで届けられる。

 外装箱が不要になれば、売り上げも減る恐れがある。だが、「内装箱が板紙やEフルートからデルタフルートへと転換したり、ネット通販などの新しいニーズを開拓することで、売り上げは確保できる」と安川室長は見込んでいる。

 その一方で同社は、段ボールの材料である「原紙」そのものの薄肉・軽量化にも取り組んできた。

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